田中角栄 赤坂の料亭で流通前の新1万円札を取り出して…他の政治家には絶対にマネできない「カネと女」の流儀とは

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他の座敷の芸者がそわそわ

 あろうことか、角栄は佐藤昭女史に「女性関係」の処理を頼むこともあった。

「ある時、角さんが昭さんに対して、“もし俺のことで女が来たら、お前が応対してくれ”と言ったことがあったそうです」

 そう話すのは、ロッキード事件で逮捕された後、初めて角栄の肉声を報じた佐藤修氏(現・モンゴル日刊紙東京特派員)である。

「私が昭さんに、実際に女性は来たのかと聞いたら、“2人来ましたよ。でも私が応対してお引き取り願いました”と言う。おそらく金で解決したのでしょう。何度も角さんの酒の席についた芸者によると、“それはそれはモテた”そうですから、赤坂の芸者の中には世話をした人が少なからずいたのだと思います」

 情に厚く、金離れの良い角栄が女性にモテたのは当然といえば当然。その宴席は常に明るい酒だった。

「角栄が芸者遊びをしている時は常に笑いが絶えないので、他の座敷にいる芸者たちが角栄の座敷に移りたくてそわそわしていた、といいます」

 先の小林氏はそう語る。

「また、角栄は一度“ノー”と言われたらネチネチ深追いしたりはしないので玄人筋に好まれた。“政治家さんは苦手だから”とやんわり拒否されたらすぐに手を引く。しかも次に会った時、“少しは政治家を好きになったかい?”なんて冗談を飛ばすので、お互いに気まずくなることもないのです」

 旅館を訪れた際、女中から女将まで、分け隔てなくご祝儀を配っていたとのエピソードは前述したが、それは芸者遊びをした時も同様だったという。

「宴席の度に秘書を通じて女将さんに数十万円を渡していたといいます。“仲居さんや板場の連中で分けてくれ”と言付けて渡すわけです。そんなことをされてうれしくない人がいるはずもなく、皆、“われわれにまで気を使うなんてスゴイ人だな”となるのです」(同)

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