打算の渦巻く「ビッグモーター」支援企業2社との駆け引き その裏で発令された驚きの「幹部昇格人事」の中身

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幹部が大量昇格

 その一方で、さすがに会社の先行きに不安を抱き、10月以降、徐々に退職希望者も出始めているという。

「ただし、フツーに転職活動をしても絶望的なため、退職希望者の多くは先に辞めた『OBを頼る』か、自分たちで車の中古屋を始めるなど『独立する』かの二択を迫られている。ただ夏頃よりは増えてきているものの、辞めようと考えている人間は社内ではまだまだ少数派なのが現実です。多くは社内にとどまったほうが“得だ”と踏んでいるだけでなく、最近では“スポンサーが決まれば一件落着”や“社名変更すれば全てチャラになる”など、楽観ムードが広がっている有様です」(同)

 支援企業が決まれば、同時にリストラや資産売却などが行われる可能性も指摘されているが、そこには思いが至っていないようだ。実際、つい先日、ビッグモーター内で驚きの発表がなされたという。

「10月下旬に幹部人事が発令され、複数のエリア長が次長に昇格。次長から部長に昇格したケースもありました。このタイミングで昇格人事を行うなど、外部から見ると“あり得ない”となるでしょうが、会社としての危機感はその程度だということ。結局のところ、“どこかが助け舟を出してくれるはず”と疑っていないため、この期に及んでも幹部の繋ぎとめに不必要なカネを払う愚行を重ねているのです」(同)

ビッグモーターの回答

 ビッグモーターに退職希望者へ降格を命じた事例の有無を訊ねると、

「そのような事実は確認できておりません」(広報)

 と回答。一方、幹部の昇格人事をいま行った理由などを訊くと、

「人事異動の詳細については回答を控えさせていただきますが、組織改革の一環として行っているものです」(同)

 と答えた。スポンサーとなる企業が仮に現れたとしても、最初にやるべきは、同社にきちんとケジメを付けさせることではないか。

デイリー新潮編集部

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