昨年のM-1王者「ウエストランド」はブレイクしたか 得意とする“毒舌芸”の難しさを指摘する声も
M-1王者なのに8連休
ウエストランドの河本太(39)が、M-1王者なのに「8連休」であると、鬼越トマホークのYouTubeチャンネルに出演して明かしたのは8月20日のことだった。M-1王者ともなれば「1年目は休みなしで働くのが当たり前」というのが業界の認識だが、河本は番組内で「先週は8連休で1日働いて、また3連休」と話し、鬼越の二人を驚かせた。
この「8連休」には理由があり、マリンスポーツのロケの仕事が入っていたが、河本の体にタトゥーが入っていることからNGになったという。彼は今年5月に出演したテレビ番組でタトゥーについて明かしており、「18歳から温泉に入っていない」とも語っていた。
既に消去する施術を始めているという。
コンプライアンス重視のテレビ界で、タトゥー入りとなればキャスティングが難しくなるのは仕方あるまい。特に若手芸人の場合、体を張ったロケを求められることも多いだけに、マイナスになるのは当然なのだが、二人の所属事務所タイタンのHPを見ると、ほぼ毎日のように何らかのテレビ番組への出演がある。ただ、ピンの仕事は圧倒的に井口浩之(40)の方が多い。コンビの仕事でもネット配信のレギュラーはあるが、地方局も含め地上波の定期レギュラー番組は現在のところはない。CMはスポーツくじなど、WEBCMが2つ。あとはオーディオブックに声の出演と、事務所主催のライブを定期的にこなしている。
「ウエストランドの前年王者だった錦鯉の場合、やはりほぼ毎日のようにバラエティー番組を中心にゲスト出演があり、大手食品メーカーや飲食チェーンなど複数のCM出演がありました。また、コンビの半生を描いた連続ドラマが日本テレビで放送され、地方局での冠番組もスタートしています。BSでも不定期ながら冠番組があり、その合間に単独ライブもこなすなど、精力的に活動しています」(スポーツ紙記者)
前述したように、テレビ出演の多さが芸人の全てではないものの、やはりある程度の露出がないと、仕事の幅はなかなか広がらない。
「バラエティー番組へのゲスト出演は、年内まで続くでしょう。ただ来年以降も今年と同じようにテレビに露出し続けるかどうかはわかりません。同クラスの吉本芸人のように、場の“空気を読む力”がもう少しだと思います。今は番組をこなすことに精一杯で、爪痕を残すのに苦労しているのでは。思ったほど、ウエストランドにブレイクの勢いを感じないのは、彼らの“設定”が壊れたことも一因ではないでしょうか」(バラエティー番組スタッフ)
M-1で優勝したウエストランドの漫才は、対象の人や出来事に不満を抱えているが、正面からそれをぶつけることができない。あるいは、ひそかに思っている色々な事象について臆することなく堂々とツッコミを入れる、いわば多くの人が口に出せないけれど「あるある!」と共感できる、悪口や毒舌の連発で成り立っていた。
「売れない芸人という恵まれない境遇にあるからこそ抱く、斜に構えた怒りや愚痴が面白い。井口さんの“不満を元に悪口でツッコむ”という設定がウケました。しかし、M-1王者になって頂点に立ってしまったことで、くすぶり続けている境遇ではない=世の中に何の不満もないのではないか、という印象が視聴者にも強まり、毒舌も面白みを感じなくなったという声はよく聞きますね」(前出・記者)
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