兄の不祥事で注目される吉田沙保里の「ズレっぷり」 時代遅れの「イケメン好きキャラ」に批判も
時代が変わろうとアップデートしようとしない吉田家の思想 母親らの言葉に見る「勝てば官軍」マインド
競技では勝つことが絶対であり、他人にどう思われようが時代にそぐわなかろうが強さを追求することがすべてだ。栄利氏の体罰も母親の発言も、吉田家ではそれが普通のことだったからだろう。
母親は週刊誌の取材に対し、「あんた(被害者の父)も経験してきたことやろって言いたくなった」と述べているし、吉田さん自身も父親からの厳しい指導をエピソードトークとして語っている。骨折しても全国大会に出るために、手術で入れたボルトをテーピングで巻ける長さに削ってもらえ、と言われたというのだ。
そうして実際に優勝したというが、そうした成功体験の積み重ねによって、吉田家の「勝てば官軍」思想は強固なものになっていったのではないか。
例えば、令和の現在は容姿への言及はタブー視されているが、吉田さんに動じる様子はない。「五輪なのに選手を顔で見ている」「顔面が整いすぎて100点」など、ヒヤヒヤさせられる発言も多い。自分はイケメン好きキャラだという自己認識に基づいたリップサービスかもしれないが、世の中的にはほぼアウトな言葉である。
さらに最近では、元サッカー日本代表の大久保嘉人さんとの関係も議論を呼んだ。ゴルフやライブなど、毎日のように一緒にいる親密ぶりを投稿するSNSには首をかしげたという反応が多い。
家族ぐるみで仲良しだとはいうものの、わざわざ既婚男性と毎日のように行動を共にするということが、相手の妻やその親族に、そして世間にどう思われるかということに思いが至らないように見える。
吉田さんの著書によれば、じゃんけんも勝つまでやる負けず嫌いだと自身を評していた。世界のライバルから得意技のタックルを研究しつくされても、さらに上をいくタックルを編み出して勝つ。思いを寄せた相手にフラれてもあきらめきれず、6回にわたって告白したという逸話も有名だ。
相手の土俵には乗らない、乗りたくない。それはスポーツの世界では有利に働く性格でも、一般社会では強さというよりも頑なさに映る。
時代は変わり、世間の感覚もアップデートされている。だけど私は変わらない。周りに合わせる必要がない。だって誰よりも強いし、それだけの成績を収めてきたんだから。吉田さんや彼女の家族には、そんな思考は根付いていないだろうか。
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