趣里や蒼井優の名演技に頼り過ぎ…朝ドラ「ブギウギ」に足りないものは何か

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「ブギの女王」と呼ばれた昭和の人気歌手・笠置シヅ子さんをモデルとするNHK連続テレビ小説「ブギウギ」が、放送開始から1カ月が過ぎた。現時点までの視聴率は平均的。作品に対する関心度を表す新聞記事もそう多くない。人気拡大と話題性の高まりを妨げているものは何か。

視聴率が伸びない理由

「ブギウギ」は視聴者にどう眺められているのか。まずは視聴率を確認しておきたい(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 10月23~27日の平均視聴率は個人8.7%(世帯15.7%)。2023年4月に始まった前作「らんまん」の同月最終週の視聴率は平均値が個人8.9%(世帯15.8%)だった。2022年10月からの「舞いあがれ!」は、同月最終週の平均視聴率が個人8.8%(世帯15.8%)である。

「ブギウギ」の視聴率は僅かながら前2作を下回っている。現状における視聴者の支持度は平均的、または通常をやや下回るというのが過不足のない表現だろう。

 話題性のバロメーターでもある新聞記事の数もそう多くない。植物学者・牧野富太郎博士がモデルだった「らんまん」は、4月1日~30日までに216件の新聞記事が載った。一方、同じく笠置シヅ子さんというモデルがいる「ブギウギ」の記事は10月1日~30日までで134件だった。(※朝日、読売、毎日、産経の4紙とブロック紙8紙、地方紙45紙から集計)

 現時点で人気拡大と話題性の高まりにブレーキを掛けているものは何か。ディテールの描き込みが、観る側にとって物足りないからではないか。一例は主人公の芸名・福来スズ子こと花田鈴子(趣里・33)が所属する大阪の「梅丸少女歌劇団」で起きた桃色争議(労働争議)の顛末である(14~18回)。

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