「ルーズソックス」「厚底ブーツ」「ヘソだしルック」が再流行 “コギャル”を復活させた渋谷で大人気「Y2K」ブームの意外な裏側

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ギャルは“場面”

 K-POPアイドルを火付け役に、一昨年あたりから一気に爆発したY2Kブームの波は、もはやファッションだけにとどまらない。Z世代の若者の間では、ファッションはギャルほど派手に着飾らずとも、心にギャル精神を持つ「マインドギャル」なる言葉も流行しているのだとか。

「そらそうよ。え、知らないの?」

 と言うのは前出のみぽちサン。笑ってるが、目の奥はけっこう真剣だ。

「ファッションの流行は変わってもギャルは永遠じゃん。だってギャルってファッションじゃなくてマインドのことだから。なんにも縛られないし、いつも自由なのがギャル。モテとか意識して男に媚びるとかマジなくって、いつでも自分の好きなカッコとかメイクしてて、他人の眼とか気にしないから、へーきで道ばたとか溜まったりするし(笑)。だってギャルはいつだって“場面”じゃん、みほなんか人生が“場面”じゃん。なんかそこへんが、今の時代とか若い子に合ってるっぽくない?」

「リバイバル」にあらず

 みぽちサンの言う“場面”とは、「その時の気分や状況で、自分の好きに行動する」「その場その場で楽しめば、人生それでいい」という昔から伝わるギャル用語だ。

 そんなギャル特有の底抜けに明るいノリや、誰にも振りまわされずハッキリと自分の意見を言う「マインド」が、既存社会の価値観に合わせるのではなく、自らの価値観で生きようとしている若者の憧れの対象となっている。

 街で声を聞けば、Z世代にとって「Y2Kブーム」とは、もはや“ギャル・マインド”をあらわすファッションではあっても、「2000年代のリバイバル」という意味合いすら少なくなっているという。

 ルーズソックスに鼻の下を伸ばしながら、ノスタルジーを感じているのはおじさん世代だけ。令和の女子高生たちは、大人たちの視線を歯牙にもかけず、誰にも縛られない未来を目指している。

鈴木ユーリ(すずき・ゆーり)
ライター

デイリー新潮編集部

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