【大谷翔平】新たな移籍先にフィリーズ急上昇の背景 山本由伸と“夢の二枚看板”も画策か

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移籍先に急浮上したフィリーズ

 ドジャース有力の見方が強い一方で、ワールドシリーズ進出を掛けた地区シリーズの結果が、大谷の去就にも影響を与えている。そこで急浮上してきたのが、ナ・リーグ東地区2位のフィリーズだ。ワイルドカードマッチ、ディビジョンマッチを勝ち上がり、ダイヤモンドバックスとワールドシリーズ進出を最後まで争ったが、2年連続でシリーズ出場を逃した。

「敗因は『あと一歩』が足らなかった。それに尽きます。投打のバランスが取れた好チームなんですが、今オフの動向が注目されています」(現地記者)

 フィリーズの最優先事項は、MLBタイ記録の10者連続奪三振を達成したチームの看板投手であるアーロン・ノラ(30)の慰留だ。大谷同様、シーズン終了と同時にFAとなるが、昨シーズン途中から球団は引き止め交渉を開始していた。球団は4~5年の延長を提示したが、ノラ側は「8年総額2億ドル以上(約300億円)」を譲らず、交渉は今季のリーグチャンピオンシリーズマッチまで平行線を辿ったままだった。さらにエースのザック・ウィーラー(33)も、来季終了後にFAになる。

「ブライス・ハーパー(31)など人気スラッガーもいて、今が優勝を狙える時期なんです。ノラが残留する可能性が低く、ウィーラーもどうなるか分かりません。そこで大谷を獲得するしかないという考えになってきたのです」(前出・同)

 だが、肘の手術をした来季の大谷は「打者出場」のみとなる。そこで、来季の地区優勝に最優先で必要なのが投手だとするならば、オリックス・山本由伸(25)と同時獲得を狙うのではないか、とも言われているという。今季の先発投手は「ノラとウィーラー」の2枚看板だったが、24年は「ウィーラーと山本」、25年は「大谷と山本」と考えているようだ。実現すれば、日本のファンにとっても夢のような2枚看板である。

「大谷がトミー・ジョン手術を受けた後、術後経過もあるため大型契約が難しくなったと言われていました。それが急転したのは、補強資金が豊富なフィリーズが争奪戦に参入してきたからです。ドジャースが大谷を欲しがる根拠は打線にあります。ワールドシリーズトーナメントで先発投手陣は、相次ぐケガと、主力左腕のフリオ・ウリアスの逮捕で弱体化しましたが、自慢の強力打線も機能しなかったんです。大谷のように1本のヒットで雰囲気を変えられる選手が必要です。大谷を獲って、さらに先発投手も獲るとの見方が強まってきています」(前出・同)

 ドジャースも潤沢な補強費を持っていることで知られるが、フィリーズとドジャースは大谷に、「10年5億2000万ドル(約778億円)」を提示するのではと予想されている。

「今オフの大谷はリハビリ程度のトレーニングしかできません。そうなると今季のような活躍は、来季では難しいと思います」(前出・米国人ライター)

 しかし、大谷の去就を巡っては、とにかく破格の数字が続く。フィリーズ、ドジャースに加え、やはり巨額な補強費を用意できる大都市球団のジャイアンツ、マリナーズなどが着目しているのは、大谷の人気だ。

 米・スポーツビジネスジャーナル誌が独自調査したところ、ユニフォーム販売数とMLBアプリのフォロワー数のトップは大谷。「マーケティング面での獲得効果は絶大。そこに加えて、平均値以上の先発投手が25年に戻るかもしれない(注・大谷のことを指す)のだから、FAで5億ドル以上で獲りに行っても価値がある」と報じたのだ。

 一方で、MLBトレード・ルーマーズ(電子版)では、大谷のフィリーズ入りについて「DH専門の大谷が入れば、常にハーパーは一塁に、カイル・シュワバー (30)も外野守備につけなければならない」とし、チームに適合しないのでは、と反論していた。

 シュワバーは22年ナ・リーグの本塁打王だが、守備範囲が狭い。「エラー数は少ないが、それはほぼ正面の打球しか追えないから」で、ファンも諦めているという。ビジネス誌は経済効果を伝え、野球専門のメディアは「大谷獲得後に生じる他選手へのリスク」を報じていた。とにかく大谷の去就はいまや野球ファンの注目の的。様々なメディアで移籍先を予想している。

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