「なんで俺がこんな病気に!」「収録に向かう途中に泣き叫び…」 アルツハイマーを告白した梶原しげるが語る前兆と黒柳徹子への感謝
デジタルへの失望
竹村 パスワード恐怖症になっていましたね。
梶原 パスワード恐怖症! いろんな場面でパスワードをたくさん作っているうちに全く分からなくなっちゃったんですよね。今は竹村くんが全部把握しているんですけど、もう嫌になっちゃったもん、デジタルというものがね。時代に完全に取り残されたっていうことですね。
竹村 パソコンを開いても、最初のパスワードでひっかかってはじかれちゃうんで、それでもう嫌になっちゃう。
梶原 電気炊飯器のスイッチを入れればお米が炊けて、テレビのスイッチを入れればテレビ番組が見られる。こういう便利さはいいんだけど、それ以上の便利さが今、いろいろ出てきちゃったんですよね。デジタルへの期待がなくて、失望しかないんですね。
竹村 元々は梶原さんの年齢だとそこそこやっていた方ですよ。メールの送受信もやっていたし、「Word」で文章も書いてたし。
梶原 あー、そうでしたね。Wordがなければ「新潮新書」は書けなかったねぇ。
竹村 そういうのはちゃんとできていたわけです。今はちょっと難しいかもしれませんけど。パソコン開いてないんじゃないですか?
梶原 そうですね。
「軽度って言われたのはうそだろうな(笑)」
〈さまざまな“前兆”を経た上で訪れた病院では、どのように病名を伝えられたのか。〉
梶原 アルツハイマーのレベルが、段階が示されることはなかったですね。
竹村 最初は初期のアルツハイマー型認知症だと聞いていましたね。それが昭和大に初めて行った時ですから……昨年5月ですね。
梶原 そうですか。
竹村 その時の診断では、これはもう徐々に……進行します、というお話でした。
梶原 そうですね。進行しているんでしょうね。頭の中で、目的にストレートにアクセスできないというか、いろいろダメな状況が出てきて、「こらぁボケてきたな」ということで。えー、なんで病院に行ったんでしょうね?
竹村 だから、あの、文化放送の特番がきっかけで。
梶原 病院に行って、軽度って言われたのはうそだろうなと思って(笑)。
竹村 先生は言い方がうまいから。
梶原 アルツハイマーという言葉を上手に避けながら、「眠れる薬」とか「シャキッとする薬」を出してもらって。
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