巨人・中田翔（34）のFA移籍、立浪監督との10年前の“遺恨”で八方塞がり “山川人気”のあおり直撃、元「日ハム」同僚へのウルトラCが「最善手」と専門家の声
中日の補強ポイントとは合致するが
本来なら貧打に苦しむ中日の補強ポイントに、中田はぴたりと一致する。力の衰えが顕著な一塁のダヤン・ビシエドの代役にはうってつけなのだが……。
複数の球界関係者によると、今オフのFA市場で中日は山川の獲得に全力を傾ける方針を固めたという。前出の編成担当は、中日が中田に後ろ向きな理由に、立浪監督が打撃コーチを務め、中田が日本代表入りした2013年のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）でのすれ違いを挙げる。
「当時、立浪監督は粗さが課題だった中田に、足を上げずにすり足にするフォームに変えるよう助言した。中田はすり足を試したが、率は上がったものの長打が出なくなり、助言に背いて元に戻した。シュアな打撃を身上とした立浪監督らしい指導だったが、中田には合わなかった。短期間で結果を求められる中で、意思疎通が十分ではなかった不幸があったとはいえ、2人にはギクシャクした関係が生まれてしまった。だから中日は中田を取りにいかないだろうし、中田もホームランが日本一出づらい本拠地球場（バンテリンドームナゴヤ）を敬遠すること以上に、打撃観が異なる立浪監督がいる中日には行きたくないのではないか」
いまだ尾を引く“暴力問題”
補強ポイントという点では、右の大砲獲得が悲願のソフトバンクも中日に勝るとも劣らない。しかし、ソフトバンクも知人女性とのトラブルが起きる前に入団が既定路線とされた山川の方に関心を持っているという。
「チームは今季途中にデスパイネを呼び戻すほど右のホームランバッターが欲しかった。資金力が豊富なので、山川も中田も年俸は支障にならないのだが、中田はハム時代に後輩選手に対して暴力事件を起こしたことで心証が悪い。これはソフトバンク以外の球団が中田獲得に乗り気でない理由でもある。山川の問題は不起訴になった上、球界は女性絡みの問題にはいまだに寛容なところがあるので。年齢が若いことも山川人気の裏にはある」（前出の編成担当）
今季の推定年俸は中田が3億円でBランク、山川は2億7000万円でAランク。古巣への補償を含め、いずれも獲得球団には相応の出血が求められるが、人気では山川が中田を圧倒しているようだ。
中田は移籍に見通しが立たなければ、今オフから1年ごとに契約を破棄できる3年契約を結んでいるとはいえ、巨人と来季契約を結ばざるを得ない。しかし、残留しても定位置の保証はなく、一から内外野でレギュラーを争うことになり、それは本人の望むところではない。
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