埼玉「立てこもり」事件で逮捕の86歳「元ヤクザ」、ヒットマンと疑われた理由は「眉毛」と「拳銃の扱い」

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増える“高齢のヒットマン”

「今回の事件と直接関連はありませんが、そもそも、発砲事件が起きた“病院”という場所はヒットマンに狙われやすいんですね。患者やその家族が行き来して人目につくのでガードは手薄になりますし、ターゲットに持病があれば定期的に通院せざるを得ません。そうなると、狙う側は計画を立てやすい。次に、テレビに映った立てこもり犯が思いのほか高齢に見えたこと。一般の方が想像するヒットマンは、捨て身で手柄を立てて組織内での出世を図る若い衆だと思います。ただ、いまは暴対法で“暴力行為の賞揚”が規制されているため、組織のために事件を起こしても放免祝いで金品を貰ったり、昇格したりすることが難しくなった。また、組織のために長期刑も辞さないという若い衆が珍しくなったのも事実です。そこで増えているのが高齢者のヒットマン。とりわけ末期がんで余命いくばくもない高齢の暴力団関係者には、人生の最後にヒットマンとしてひと花咲かし、家族に報奨金が渡ればありがたいと考える者もいると思います」

 他にも、こんな点が気になったそうだ。それは容疑者の“眉毛”だ。

「逮捕された容疑者が警察車両で移送される時のニュース映像では、彼の眉毛に目が行きましたね。86歳にもなれば当然、髪の毛も眉毛も薄くなっていきます。それは容疑者も同じですが、映像を見ると、眉頭の部分だけが影のように黒く残っていた。実は、暴力団関係者が刺青を入れる際、眉毛にも墨を入れて太くすることがあるんですね。そのため、ニュースを見た関係者は“容疑者はこっちの稼業の人間か……”と感じたのではないでしょうか」

元組員が護身用に

 いまのところ、今回の事件に組織的な背景は窺えない。とはいえ、拳銃が用いられ、多くの人命が危機に瀕した凶悪事件に変わりはない。

「映像で見る限り、事件に使用されたのはおそらくトカレフ。裏社会では30年ほど前から大量に出回っていて、それこそ1丁を10万円以下で購入できた時代もあった。元組員であれば足を洗った後も護身用として所持したり、あるいは処分に困って自宅に隠し持っていたりするケースはあると思います。とはいえ、組織的な背景がない限り、高齢の元組員が新品の拳銃を自ら入手するとは考えづらい。押収された拳銃はきれいに見えましたが、おそらく油紙を巻いて自宅に保管していたのでしょう。トカレフは発砲時の反動が強烈で、それこそ天井に向けて撃つと肩が外れるほどの威力があると聞きます。あの年齢で何発も撃っている以上、拳銃の扱いに慣れていた可能性もあります」

 今後、本格的に動機の解明が進められるが、

「正直なところ、高齢の元組員の生活はかなり厳しい。払ってこなかったので年金はもらえないし、働ける場所は一般人よりも限られます。今回の“暴発”にも、やはり生活苦が影を落としているように感じます」

デイリー新潮編集部

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