立民と共産が次期総選挙で連携と報道 泉代表は悪夢がよぎって…「立民はおこぼれに預かるしかない」
“反自民票”の受け皿はゼロ
共産党のナンバー4にあたる政策委員長を務め、2005年に離党した元参議院議員の筆坂秀世氏は、「除名に批判が巻き起こったといっても、それは政治に関心の高いごく少数の有権者でしょう」と指摘する。
「圧倒的多数の有権者は、除名騒ぎがあったことすら知らなくて不思議はありません。今や共産党の支持者は高齢者ばかりです。若者から子育て世代までの層は、共産党に興味すら持っていないでしょう。だからこそ共産党は、立民と選挙協力がしたくてしたくてたまらないのです。このままならジリ貧です。選挙区で勝つ力もありません。閣外協力なんて贅沢な話で、ほんの少しでもいいから選挙で協力できる体制ができれば御の字というのが本音です」
共産の弱体化は、もちろん立民も百も承知だ。しかし、立民に全く風が吹かない。選挙が近づくにつれ、いつものように浮き足立ち、共産との連携が浮かんでは消え、浮かんでは消える……。
「本来なら『次回の衆院選で自民党にお灸を据えよう』と考える有権者は相当な数になっているはずです。内閣の支持率を見れば一目瞭然でしょう。ところが、政党支持率を見ると、立民や共産が伸び悩んでいるのは当然だとしても、日本維新の会どころか自民ですら人気がありません。選挙戦の後半になると態度未定の有権者が何割に達したなどと報じられますが、次の総選挙はこの割合がかなり高くなるのではないでしょうか。投票日直前まで大多数の有権者が態度未定だとしても、私は驚きません」(同・筆坂氏)
拙速な選挙協力は問題
有権者はぎりぎりまで「どこに投票すればいいのか」と悩む可能性が高い。与野党のどちらも、選挙戦の終盤に致命的な失言が報道されたら一気に形成が変わるような展開もあり得るという。
「そう考えると、今の立民がのらりくらりと煮え切らない態度に終始しているのは、政党としては問題ですが、選挙対策としてなら分からないわけでもありません。これだけ岸田政権に逆風が吹いているのですから、じっと大人しくしていれば、多少は批判票のおこぼれに預かれます。大勝することはないにせよ、数議席なら上積みできるかもしれません。私としては、共産と拙速に選挙協力を結ぶより、むしろ袖にするくらいのほうが選挙対策としては得策だと考えます」(同・筆坂氏)
註:共産との「閣外協力」立憲新代表に重い宿題 ギリギリの攻防の裏側(朝日新聞デジタル:2021年11月25日)
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