評判の悪い「4万円減税」の黒幕が判明…増税メガネ・岸田総理が作りたい“浅はかな構図”とは
“還元する”というアイデア
確かに、10月23日に行われた所信表明演説では「経済」という言葉が総理の口から29回も連呼された。
政治部デスクが解説する。
「これは岸田総理の強い意向が反映されていたようです。こんなに多く“経済”という言葉を入れなくても、という側近のアドバイスがあったものの、結局残すことになった。総理は今年の前半はこれまでの政権が先送りしてきた防衛増税やこども政策などに力を入れてきた。しかし、支持率が上昇する兆しはまったく見えず、経済政策に力を入れざるを得なくなった。そこで岸田政権独自の政策として減税を掲げたのです」
しかし、自民党幹部からは総スカン状態だった。
「10月18日には、“三頭政治”と言われてきた麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長に加え、森山裕総務会長、萩生田光一政調会長、小渕優子選対委員長の6名による『6者会合』を党本部で開きました。しかし、出席者のほとんどは効果への疑問から減税策に反対。25日の代表質問では自民党参院幹事長の世耕弘成さんが“総理が何をやろうとしているのか、全く伝わらなかった”と発言し、大きく報じられました」(同)
では、この減税策は一体誰の発案なのか。
「総理の懐刀である幹事長代理、木原誠二さんです」
とは自民党関係者。
「岸田総理は9月25日に記者団に“成長の成果である税収増を国民に適切に還元する”と説明し、10月中の経済対策策定を与党に指示しています。実はこの税収を“還元する”というアイデアを総理に授けたのが、木原さんでした。総理もこの間、自身が“増税メガネ”と呼ばれることに非常に嫌悪感を示しており、この案に飛びついた。結果、総理、木原さん、嶋田隆総理秘書官という3人で減税策を決めていったと見られています。自民党内の議論の前にすでに案ができているのは、根回しして、財務省に作らせたのでしょう」
“解散するのはやめてくれ”
これまで官邸で権勢を振るってきた木原氏にとっては、岸田政権の浮沈は自身の今後にも関わる重大な問題だ。
「木原さんは減税で政権浮揚が可能だ、という判断で提案したのだと思います。しかも、自身は『週刊文春』による“木原事件報道”で次期衆院選が厳しくなるのは目に見えています。官房副長官という官邸の激務を離れ、家族と過ごす時間もできたそうですが、周囲に“総理にいま解散するのはやめてくれないかと言ったんだよ”と話しています。それが本気なのか、冗談なのかはともかく、いま解散されたら困るのは木原さんです。そこで減税策が世論に受ければ、自身の選挙にも有利に働き、当選すれば禊も済ませられる。ただ、この減税策は党内はおろか世論にも受けも悪く、最近の木原さんは不機嫌極まりないですね」