ジャニーズ新会社 そもそも登記が間に合わない、エージェント契約のメリットがあるのは大物のみ…早くも囁かれる難題

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

エージェント契約を結ぶ可能性がある3人とは

 エージェント契約を選ぶ力があるのなら、個人事務所をつくり、旧ジャニーズ事務所のレッテルを剥がしたほうが得策というのは自然な考え方だ。それが、エージェント契約は木村1人、退所・独立組は二宮と岡田の2人という結果にも表れている。

 新会社としては売り物のエージェント契約が木村1人では慌てるだろう。新会社の威容も誇りにくい。それもあって二宮に未練を見せているのではないか。

 おまけに嵐は旧ジャニーズ事務所前社長でSMILE-UP.取締役の藤島ジュリー景子(57)の秘蔵っ子。二宮はファンサイトで「僕は明日からも嵐です」と強調したが、独立すると、新会社は物言えぬ立場になってしまう。

 これから先、エージェント契約を結ぶ可能性があると芸能界で目されているのは嵐の櫻井翔(41)、松本潤(40)、生田斗真(39)なのだという。

「この3人はあり得る。ただし、その分、退所もあるだろう。バラエティ畑のタレントはエージェント契約の可能性が低い。局側から支払われるギャラが安いうえ、そのタレントがいないと番組が成立しないということが多くないから」(前出・芸能事務所幹部)

 エージェント契約に適しているのはドラマ、映画で主役を張れるタレントなのだ。

「連続ドラマは1回当たり200、300万のギャラが得られるので、自分で諸経費を負担してもメリットが十分ある」(同・芸能事務所幹部)

朗報はCM違約金が請求されないこと

 全員の契約が済むまで新会社は落ち着かないだろう。

 新会社は誰が実権を握っているのか分かる資本構成も不明。10月2日の会見に同席した顧問の木目田裕弁護士は「ファイナンス(資金調達)をどう工面するのかは検討している最中」と語り、追って発表するとしていたが、いまだ明らかにされていない。

 役員の顔ぶれがどうなるかも分からない。このままでは旧ジャニーズ事務所と同じく、情報開示に消極的な会社になってしまうのではないか。

 一方でSMILE-UP.には朗報もある。9月7日の記者会見以降、ジャニーズ勢の出演していたCMが次々と打ち切られたが、その違約金は請求されないことになったという。

「ジャニー氏による性加害が詳らかになった上、旧ジャニーズ事務所のガバナンス不全も猛批判され、とてもCMを流せるような状態ではなく、打ち切られました。だが、それはスポンサー側の自主的な判断という結論に至った」(前出・広告代理店社員)

 退所問題、資本構成問題、もちろん補償問題もあるから、旧ジャニーズ事務所からまだ目が離せそうにない。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。