ジャニーズ新会社 そもそも登記が間に合わない、エージェント契約のメリットがあるのは大物のみ…早くも囁かれる難題

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エージェント契約と個人事務所

 新会社は中身にも腑に落ちないところがある。エージェント制の導入が売り物だが、その制度で契約を結びそうなのは目下のところ木村拓哉(50)のみ。一方で、二宮は退所し、独立。岡田准一(42)も11月30日をもって同じ道を選ぶ。

 エージェント制で契約するタレントがほとんどいないと、社名とトップが変わるだけで、旧ジャニーズ事務所とほとんど同じなのではないか。東山社長は10月2日の会見で「ジャニーズ事務所を解体する」と力説したが、その言葉が疑わしくなってしまう。

 新会社に移るタレントのほとんどが結ぶと見られるのは、旧来型のマネージメント契約。旧ジャニーズ事務所も含め、ほぼ全ての芸能事務所が採用している。

 この契約の場合、仕事の獲得からギャラの交渉、スケジュール管理やトラブルの処理まで、ほぼ全てのことを芸能事務所が担う。タレントは仕事に専念できる。

 その分、ギャラの取り分は少なめ。一般的に芸能事務所が7、8割でタレントは2、3割。タレントが仕事を選ぶことも基本的には出来ない。仕事は芸能事務所が獲るからだ。タレントは芸能事務所側に縛られる。

リスクもメリットもほぼ同等

 一方、エージェント契約でのタレントは個人事業主に近い。芸能事務所との力関係は対等。芸能事務所側に仕事の獲得とギャラの交渉を委託するが、それ以外は全てタレント側でやる。仕事も選べる。ギャラの取り分も多く、一般的にタレントが7、8割、芸能事務所側が2、3割だ。

 半面、仕事獲得の際に芸能事務所のスケールメリットは生かせない。ほかのタレントの力を利用するバーターなどは無理。また、CMの仕事が減ることも覚悟しなくてはならない。

「エージェント契約や個人事務所の場合、スポンサーは不祥事が起きた時に違約金を払えるかどうかを心配する。軽く億単位になるから。マネージメント契約でも最後は本人が支払うのだが、芸能事務所側が立て替える」(同・芸能事務所幹部)

 エージェント契約はリスクが大きい。半面、自由度が大きく、ギャラも多い。

 ここで旧ジャニーズ事務所の大物たちは悩むはず。エージェント契約と個人事務所を設立するのとではリスクもメリットもほぼ同等なのだ。

 個人事務所は仕事の獲得とギャラ交渉までも自分でやらなくてはならないが、今はそれを専門にしてフリーで活動している人がいる。大手芸能事務所出身で腕利きの人も参入している。個人事務所でも仕事は獲れるのだ。

 一方でエージェント契約を選ぶと、旧ジャニーズ事務所の負の遺産を背負わされる。

 二宮の場合、9月7日の会見の後に「クリアアサヒ」(アサヒビールホールディングス)や「サロンパス」(久光製薬)などのCMを打ち切られてしまい、再開の見通しは立っていない。「補償が全て終わるまで(旧ジャニーズ事務所勢とは)再契約しないというスポンサーもある」(広告代理店社員)。そうなると、スポンサーに気兼ねする民放の仕事もなかなか元通りにならない。

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