史上最多“東都7人衆”がドラフト1位を席巻! 戦国「東都」が、名門「東京六大学」を圧倒した理由
甲子園で活躍した選手が「六大学」では
今年、ドラフト1位で指名された東都リーグの投手たちは、下級生からチームの主戦投手で活躍してきた者も多い。ただ、実力の高い選手が東都リーグを積極的に選んできたかというと、必ずしもそうとは言えない。
今年の4年生が入学した2020年当時のデータを見ると、スポーツ推薦を利用して青山学院大学に入団した選手は8名。これは今秋に東都1部に在籍したチームの中で最も少ない人数で、ドラフト1位投手の出身校別に見ると、中央大(12名)、東洋大(17名)、國學院大(18名)と続き、亜細亜大と2部の専修大は28名の部員を受け入れている。
一方の東京六大学では、スポーツ推薦を実施していない東京大学と慶應大学や、近年はアスリート選抜を行うようになったものの受け入れ人数が少ない立教大学をはじめ、野球に打ち込んできた高校生たちにとってハードルの高い大学も存在する一方で、法政大(15人)や明治大(14人)など、東都と遜色ない人数を獲得している大学もある。
だが、人数が少ないからと言っても、必ずしも優秀な選手を獲得できないわけではない。
その傾向が顕著に見られるのが、秋のリーグ戦で慶應の前に後塵を拝し、7季連続でリーグ優勝を逃した早稲田大学だ。東邦高校時代には石川昂弥選手(中日)と選抜で優勝を成し遂げた副将の熊田任洋選手(トヨタ自動車に内定)を始め、スポーツ推薦で4選手が入学している。飯塚脩人投手(習志野)、清水大成投手(履正社)、野村健太選手(山梨学院)といずれも甲子園での活躍が印象に残る面々だったが、当初期待されたような活躍を見せた場面は少なかった。
ドラフト1位指名に沸く東都の大学とは対照的に、六大学は今秋の最優秀防御率を獲得した蒔田稔投手(明治)や尾崎完太投手(法政)、池田陽佑投手(立教)など、各校のエース級の投手が指名に漏れるなど、対照的な結末を迎えた。来年は既にドラフトでの競合が確実視される宗山塁(内野手・明治)や、150キロを超える速球が魅力で代表にも選出された右腕の篠木健太郎(投手・法政)ら実力者がNPBの指名を待つこととなるが、復権を果たすことはできるだろうか。