特別な銃器「コーナーショット」も開発…イスラエル軍はハマスが掘った450キロ「地下トンネル」をどう攻略するのか
白リン弾に非難
イスラエル軍は地上戦で、独自兵器「ナグマホン」も投入すると見られる。戦車の車体から砲塔を外し、「犬小屋」と呼ばれる戦闘室を載せたという軍事車両だ。暴徒鎮圧に多くの戦果を挙げており、奇っ怪な外見から「モンスター」というニックネームが付けられている。
イスラエル軍が地上戦を粘り強く戦い抜き、たとえ市街地を「面」で制圧したとしても、トンネルという厄介なものが残る。
産経新聞(電子版)は10月22日、「イスラエルのガザ作戦、主戦場は地下トンネルか 全長480キロ、ハマスの待ち伏せ警戒」との記事を配信した。トンネルの脅威をワシントンポストなどの報道を元に次のように伝えた。
《ハマスは21年、全長480キロに及ぶ地下トンネルを建設したとしていた。イスラエルの監視を逃れ、物資や武器を密輸するために使われてきた。現在のトンネルはコンクリート壁で覆われ、発電機を備え、ロケット弾の保管庫や戦闘部隊の待機部屋もあるという。ハマスはイスラエル軍の空爆の影響を受けない深部に幹部の司令室を設けたとされる。トンネルは深いところでは地下40メートルに達するとみられている》
トンネルは病院や小学校などの重要施設にもつながっていると報じたメディアもある。ハマスはいざとなれば、病人や子供を“人間の盾”として利用できるわけだ。
「イスラエルは自国民が人質に取られているにもかかわらず、むしろ空爆をエスカレートさせています。これは『人質の命は考慮しない』というメッセージだと解するべきでしょう。トンネルに突入する際、イスラエル軍は白リン弾や火炎放射器を使用すると効果的ですが、これはさすがにアメリカが“非人道的”とストップをかける可能性があります」(同・軍事ジャーナリスト)
すでに白リン弾は問題視されている。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは10月12日、イスラエル軍がガザ地区とレバノンでの軍事作戦で使用していたと非難。国際世論がイスラエルの残虐性を問題にすることは、アメリカとしては避けたいはずだ。
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