井端ジャパン 初陣の26選手に巨人から3選手 阿部新監督は複雑な心境かもしれない

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投手陣の課題が山積みの巨人

 話を巨人に戻す。投手陣も課題は山積みだ。秋季練習2日目の10月15日だった。この日は、あいにくの雨。室内練習場で限られた練習しかできなかったが、阿部監督はブルペンに入るなり、投球練習中の畠世周(29)のもとに向かった。そして、こう言った。

「コースを狙って投げ分けられないんだったら、真ん中を狙って投げてみろ」

 入団7年目の畠は今季、一軍登板はゼロ。これまでに右肘の遊離軟骨除去の手術、右肩の肉離れなどの故障もあったが、3年以上も前の話。阿部監督はコントロールを意識しすぎて、球威が落ちていると指摘し、腕を強く振る必要性を説いていた。

「畠だけでなく、ドラフト1位で入団した髙橋優貴(26)ら、20代後半の選手が先発として活躍していません。投手難は近年のドラフト戦略の失敗によるもの。阿部監督が秋季練習で自ら指導したのは、こうしたチーム状況を打開したいと思ったからでしょう。故障したクローザーの大勢(24)にも一抹の不安があるようです。このままでは来シーズンも厳しいと言わざるを得ません」(前出・スポーツ紙記者)

 前出の関係者によれば、投手補強は必須だが、阿部監督は捕手の補強も要請しているという。今季、134試合に出場し、打率2割8分1厘のキャリアハイの成績を残した大城卓三(30)が、来シーズンより選手会長に就任することが内定している。クリーンアップも務めた大城の打撃は必要だが、こんな意見も聞かれた。

「今季の大城はリーグトップの成績を残しています。送りバントの数ですよ(犠打21)。大城の長所でもあるんですが、打つことに集中しすぎて、ゲーム展開など状況が読めなくなってしまうんです。走者を進めるだけでよい場面でも強振してしまうので、バントのサインが出されていました」(前出・同)

 大城は30歳。控えにまわった小林誠司も来季は35歳を迎える。20代の若手捕手の成長が「予定よりも遅れている」と見て、捕手補強をリクエストしたようだ。

来季の野手の要は秋広

 内野の守備陣営に関しても、阿部監督は自分のカラーを出そうとしている。21日の日本テレビ「Going!Sports&News」に出演し、「坂本のポジションは来季も三塁か?」の質問を受け、それに頷いた後、「遊撃・門脇、一塁・岡本和真(27)」の“構想”も明かしている。一塁手の中田翔(34)がフリーエージェント権を行使するかどうかで悩んでいるときでもある。主砲・岡本を一塁に固定するというプランを公表すれば、中田がどう思うかは分かっていたはずだ。

「前任の原辰徳氏(65)は『左翼・岡本』で、秋広が一塁手としてやっていくにはまだ少し時間が掛かると見ていました。しかし阿部監督は、岡本の左翼構想は継承せず、秋広を外野のどこかで起用するつもりのようです」(前出・関係者)

 来季、巨人は球団創設90周年を迎える。新任監督にメモリアルイヤーの優勝、日本一を託すのは気の毒だが、野手のキーマンは秋広と見ているようだ。

デイリー新潮編集部

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