「岸田首相」捨て身の減税方針にムッとしつつも口をつぐむ「麻生副総裁」の本心はどこに

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解散のブラフ

 岸田文雄首相が検討を指示したいわゆる税収増の還元策について、政府は来年度に限り1人あたり年4万円差し引く「定額減税」を実施する方向だ。住民税非課税世帯については1世帯あたり約7万円の現金給付も検討されている。これについて渋い顔をしているのが、自民党の麻生太郎副総裁なのだという。

「降って湧いたような減税方針について、与党のみならず野党も冷ややかな視線を投げかけています。“どうせ人気取りでしょ。それで人気なんか出ないよ”との評価まで一致しています」

 と、政治部デスク。

「これまで官房副長官を務めてきた木原誠二自民党幹事長代理兼政調会長特別補佐や元宿仁自民党事務総長、そして公明党といった面々で話を進めたと言われています。木原氏は官邸を離れても首相の懐刀ですし、元宿氏は長年、自民党で選挙を取り仕切ってきた人物。これらの顔ぶれから解散総選挙対策とみられても不思議ではありませんね」(同)

防衛増税宣言から1年弱

 とはいえ、総選挙が近いということではないらしい。

「先の補選で2敗は回避できたものの1勝1敗で政権批判が根深いことを意識させるものでした。解散総選挙に打って出たところで勝てない、そんな勇気はないと足元を見るような見方も少なからずありますね。岸田首相は解散をちらつかせることで各方面をけん制したいとの思惑があるようですが、実際、年内解散の可能性は極めて低いと見ています」(同)

 岸田首相は「低位安定」する内閣支持率好転のため、様々な手を打ってきたが、いずれも奏功することはなかった。そこで出してきたのが奥の手とされる減税策だった。

「去年末に岸田首相は防衛増税を打ちだしましたね。将来世代に先送りするのではなく責任をもって今を生きる我々が対応していくというスタンスだったわけですが、物価高という現状はあるにせよ1年も経たないうちに減税を打ち出したことで、戸惑いの声が拡がっています。加えて今回の所得減税を進めるとしても実施は来年6月。岸田政権が続いているのか否かも疑問視されつつあります。支持率アップのために減税以外にできることはなく“最後の手段”ではないかとの指摘もありますが、思った以上の効果は得られなさそうで、いよいよ外堀が埋まってしまった印象もありますね」(同)

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