「就活」の突破術とは? 人気企業人事が明かす「面接で本当に知りたいこと」 「ガクチカ」のアピール方法

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「できる限り異なる複数の部署の社員と会話を」

 その上で、志望先は自分が成長できる環境なのかどうかを判断すべきだというのだ。

 また、日本生命保険相互会社人材開発部の高木寛和部長は、

「最近の就活では、企業の業務内容に関する情報が格段に多く得られるため、学生さんは“やりたい仕事”を明確にイメージしやすくなっているのではないでしょうか。それができる会社を選ぶのが一番ですが、企業側に尋ねても『できます』とだけ答えるはず。本当にできるのかどうか、皆さん分からなくて困っているのだと思います」

 それを見極めるには、

「ご自分のやりたいことをどれだけ尊重し、またそれをフォローしてくれる人材育成の仕組みがあるかという点は、インターンや面接を通じて一つのメルクマールにしてほしいと思います。それには人事の社員とだけお話ししても不足でしょうから、できる限り異なる複数の部署の社員と話してもらえればと思います」(同)

“信頼関係構築力”

 一方で、企業の側がどんな人材を求めているのかを知ることも就職活動においては不可欠である。この点をあらためて聞くと、

「銀行員としては、決算書などの数字を理解する、また情報を考慮しながらお客様の状況を理解するという能力は確実に必要です。ただし、それ以上に重要なのは、そのお客様の情報を、他ならぬお客様から教えていただく力です」(前出・柿沼氏)

 上場企業ともなれば多くの公開情報があるものの、

「必ずしもすべて公表されているわけではなく、結局は経営者の頭の中にある構想が最も大事だったりします。それをご本人から聞き出して話を進めていく作業が必要なのです。ベースとなるコミュニケーション力や、先方に『この人なら話す価値がある』と思ってもらえる“信頼関係構築力”がなければ、いかに分析力に長けていてもお客様のことを本当に理解するまでには至らないと思います」(同)

付け焼き刃は禁物

 今も昔も、面接で定番のやり取りといえば「学生時代に力を入れたこと」(ガクチカ)であろう。実際に企業側も、この点には重きを置いているといい、

「長い時間をかけてやり遂げたことをお話しいただくほうが、学生さんの人柄は伝わりやすいと思います。コロナ禍もあって自宅で過ごす時間が長くなり、最近は3日間という短期間で成し遂げたことを『ガクチカ』として話される方もいます。ただし、われわれとしては人となりを捉えづらくなってしまう部分もある。飾ったり作り込んだりして背伸びしたガクチカを披露しても、本当の人柄をさらけ出したことにはならないので『入社してもうまくいきませんよ』とは、お伝えするようにしています」(同)

 くれぐれも付け焼き刃は禁物だというのだ。先の高木部長も、

「弊社もガクチカについてはお尋ねしますが、例えばカフェでアルバイトしていた学生さんなら、どうしてそのバイトを選んで、どんな経験を得て、それを社会人になってどう生かそうと考えているのか、ちゃんと自身の言葉で打ち出してくれる人が望ましいと思いながら聞いています。日本では親御さんの影響もあり、学生さんの中には周囲の流れに身を任せて敷かれたレールに乗ってきたという方もいるのかなと感じます。社会人になればそれは通じないので、学生気分から脱した部分をエピソードの中で見させていただいています」

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