1コマ漫画でイスラエルへの怒りを表明 ナチスになぞらえたメッセージを掲げる人も

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風刺画のテーマになりやすいパレスチナ問題

 ヒジャブを身に着けて参加した女性が右手を伸ばして掲げていたのは、2006年のイスラエル軍によるレバノン侵攻を描いたイラストだ。

 イスラエル国旗入りのヘルメットをかぶった兵士が倒れた人に機関銃を突きつけている。倒れた人物に添えられた文字は「レバノン」。

 その姿が映る鏡の中にいるのは、ユダヤの囚人に銃を向け、冷酷に笑うナチス兵。この時と同じことが今も行われていると訴えたいようだ。イスラエルにとっては相当辛辣なメッセージといえるだろう。

 また、

「ガザ封鎖はアパルトヘイト」

「『報復』と言う名の虐殺やめろ」

 というメッセージには、ネタニヤフ首相が足先に落ちてきた小さなミサイルをテレビに撮らせ、その背後でガザと書かれた看板がある街に巨大な爆弾を落としている風刺画が添えられていた。

事態は切迫するばかり

 抗議デモは世界各地に広がっている。

 21日にはロンドンで10万人規模。反ユダヤ主義が広がることへの懸念からデモ活動が禁止されていたパリでも19日、3千人が参加。

 ニューヨークでは13日に親パレスチナ派と親イスラエル派のデモ隊がマンハッタンの中心部で罵り合う事態になった。

 もちろんこうした抗議活動はイスラエルの判断にさほどの影響は与えないのが冷徹な現実である。イスラエル軍によるガザ地区への本格的な地上侵攻がいつ始まってもおかしくない状況なのは変わっていない。

撮影・西村 純

週刊新潮 2023年11月2日号掲載

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