「藤井八冠がAIに勝てる確率は1%未満」「28手先を読んでソフトを上回る瞬間も」 AI将棋ソフト開発者が語る
ついに未知の領域へと到達した藤井聡太「八冠」(21)。かつて七冠を達成した時の羽生善治九段(53)よりも4歳若く、もはや人類に敵なしといったところだ。そこで趣向を変え、果たしてAIと対戦した場合、どのような首尾と相成るのかを尋ねてみると――。
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さる11日、永瀬拓矢九段との王座戦五番勝負第4局に勝利した挑戦者の藤井は、通算成績3勝1敗で八つ目のタイトル「王座」を獲得。前人未到の記録を達成したのだった。
棋士と将棋ソフトとの対戦を遡ると、2017年には「PONANZA(ポナンザ)」が、当時の佐藤天彦名人に2連勝している。
「藤井さんが勝てる可能性は1%未満」
「当時から将棋ソフトは強く、対局前の確率では名人が勝つ可能性は1%未満でした」
そう話すのは、AI搭載の将棋ソフト「水匠」の開発者で弁護士の杉村達也氏である。
「現在のソフトはいっそう進化しており、名人を破った6年前のポナンザに対し、計算上は99%以上の確率で勝つほどの強さです」
藤井の通算成績は10月16日現在、勝率8割3分4厘で、
「史上最強の強さだと思いますが、人間には1割5分ほど負けています。であれば、佐藤名人に勝った当時のポナンザに追いついていないということになります。従って開発者としては、進化し続ける現在の将棋ソフトに藤井さんが勝てる確率は1%未満と言わざるを得ません」
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