クーアンドリクの動物虐待疑惑に業界内から“反旗” 「過去32人を出向」”蜜月関係”だったペット保険会社が調査を開始
「マネーゲームの天才」
渦中のクーリクは、取材にこう回答した。
「保険会社を切り替えた事実はありません。以前より2社とも代理店契約を締結させていただいております。トラブルも一切ございません。アニコム社の調査・確認にもご協力しております。(アニコムからの出向について)保険募集の品質向上、コンプライアンス体制強化に伴う加入促進、顧客満足度の向上といった観点から5年前まで複数名受け入れておりました。(100万円販促イベントについて)原資は社内からの拠出、販売促進の一環として実施しております。結果は32店舗が対象で、1店舗あたり3万円程度の奨励金でありました。アニコムの契約についてノルマはありません。お客様に強制的に加入と誤解させたり、案内誤認等に繋がらないよう正しく案内しております」
先のクーリク元社員が、大久保社長の心境を慮る。
「彼は妻子持ちの単なる家庭人なんかじゃありません。頭が切れるマネーゲームの天才です。趣味は海外出張中のカジノ。1回の勝負に、常人なら精神的に到底耐えられないような金額を張ると聞きました。そんな度胸があってこそ、一代で日本最大のペットショップを築き上げてこられた。おそらく密かに逆転の策を練っているはずです」
ペット業界でついに始まった“両雄”の対決。その帰趨に、クーリクが1年に売るおよそ5万頭、いや、市場に流通しているという50万頭の犬猫の命運がかかっているのかもしれない。
アニコムが「外部アドバイザー」を設置し本格調査へ
クーリクは10月13日、上記した週刊新潮の報道を受け、ホームページに「Coo&RIKU グループの繁殖施設に関する一部報道について」と題する文書を公表した。
ゴキブリについては、過去に発生事案があったことを認めながらも、「発覚後速やかに害虫害獣駆除会社に委託することで当時解決された」とした。D犬率が最も高かった月で3割を超えていたことについては、事実と認めつつも「業界としても決して高い数字ではない」と主張。「今年の死産を含む死亡率は平均19.0%(2023年1月から8月)」まで改善されているとした。タオルを用いた交尾の無理強いについては、「事実に反する内容をあたかも真実かのように掲載されたことについては強い憤りを感じております」などと反論している。
一方、アニコムは10月26日、弁護士や動物の専門家からなる4人の外部アドバイザーを設置し、クーリク社への本格調査を開始したとホームページで公表した。それを受けクーリクも同日、「全ての弊社グループ会社への調査を受け入れる」と全面協力する方針をホームページで公表した。
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