クーアンドリクの動物虐待疑惑に業界内から“反旗” 「過去32人を出向」”蜜月関係”だったペット保険会社が調査を開始
手数料収入を失うから
そして、小社による報道をきっかけに内部調査に着手し、10月2日から「子犬・子猫の販売に関するトラブルの情報提供窓口」を設置、顧客への聞き取り調査を始めたと明かした。
「窓口には、10月6日までに7件のトラブル情報が寄せられました。ペットの健康状態に関するものが6件、残る1件はフード定期契約が解約できないという相談です。今後はこちらからお客様に連絡するなどし、さらに調査を拡大させていく予定です」(同)
クーリクに対しても9月20日、一連の報道内容への見解に関する“質問状”を送付。回答を得たというが、その詳細については、
「取引先との個別のやり取りになりますので申し上げられません。ただ、動物愛護管理法や保険業法違反が疑われる重大な事案であると受け止めておりますので、クーリク社に対しては引き続き説明責任を果たすよう申し入れ、調査に協力してもらうつもりです」(同)
先にX氏が語った通り、野田社長の言葉にはクーリクに対する強い「不信感」が滲み出ていた。ただ、継続中の代理店契約を見直しはしないのかと問うと、
「検討すべきことは検討してまいります」
「法令違反の事実があるならば、是々非々の“非”の方で検討しなくてはいけないと考えています」
何やら今ひとつ歯切れが悪い。この点、損保業界に詳しい関係者は、実際問題として、よほどの法令違反でもない限り、代理店契約や委託契約は簡単に解除できないと指摘する。
クーリクは間違いなく抵抗
しかも、アニコムからの解除の申し出があれば、クーリクは間違いなく抵抗するだろうと見立てる。
「クーリクは、保険契約を継続中の客からの手数料収入をすべて失うからです。将来的に数億円分の損失になる。場合によっては裁判に訴えてでも対抗するという展開さえ考えられます」
メインの保険会社の地位をアニコムから奪取した、業界2位のアイペット。こちらも、頭を抱えている可能性が高いという。
「アイペットの親会社は、かの大手生保『第一生命』。報道の反響と事態の推移を見守っているはず」(同)
この点、アイペットは次のような見解を寄せた。
「当社はクーリク社の営業姿勢についてお答えする立場にございませんので回答を差し控えさせていただきます。しかしながら、仮に取引先の事業の健全性に関わるような事象があり得る場合には、各社との対話や協議も踏まえ適切に対応を行なってまいります」
仮にアニコムとアイペットが揃ってクーリクから手を引く事態になれば、
「クーリクの経営は持たないでしょうね。ただでさえ報道の影響で売り上げが激減していると聞きますから」(前出X氏)
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