「頂き女子りりちゃん」共犯のホスト逮捕で始まる警察当局の「パパ活」「立ちんぼ」包囲網 “教祖”と呼ばれた「頂き女子」が語っていた「毒親」「イジメ」の過去
男性を騙して総額2億円近くを詐取していた「頂き女子」の再逮捕に続き、彼女から4000万円を受け取った歌舞伎町のホストも逮捕された。事件の全容解明が進むなか、徐々に明らかとなる「頂き界の教祖」と呼ばれた女の“素顔”とは――。
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10月23日、愛知県警は都内・新宿歌舞伎町のホストクラブ「club LATTE」所属のホスト・田中裕志容疑者(26)と同店責任者・橋本一喜容疑者(34)を組織犯罪処罰法違反の容疑で逮捕した。全国紙社会部記者が解説する。
「“犯罪収益”と知りながら4000万円を受け取った疑いですが、通常は暴力団や特殊詐欺などの事件に用いられる手法で、今回のケースでの適用は異例といえます。同店は“頂き女子りりちゃん”と呼ばれ、男性から多額の金銭を騙し取った容疑で逮捕された渡辺真衣容疑者(25)が通っていたホストクラブで、田中容疑者は渡辺容疑者がいつも指名していたお気に入りのホストでした」
その田中容疑者は「俺も共犯。捕まる時は俺も一緒」とのメッセージを真衣容疑者にLINEで送るなど、飲食代として支払われた4000万円が「詐取金」と認識していたと警察当局は見ているという。
「真衣容疑者が男性たちから騙し取った金額は総計で2億円にのぼるとされますが、大半がホストクラブに流れていた。以前から警察当局は、広がりを見せる『パパ活』や『立ちんぼ』女子たちの動機も“ホストへ貢ぐ”ためというケースが多いことを問題視しており、今回、受け取ったホスト側も逮捕することで、昨今の異常なブームに歯止めをかけたいとの狙いがあると聞きます」(同)
「マニュアル」販売でも大儲け
その前日の22日、愛知県警は真衣容疑者を詐欺容疑で再逮捕。横浜市の派遣社員の男性から「アパレル会社の立ち上げに失敗して借金が残った」などとウソの話で約5200万円を騙し取った疑いだ。理由として「ホストクラブで遊ぶお金がほしくてやった」と話している真衣容疑者だが、前述の田中容疑者以外の複数のホストにも計1億円近くが渡っていたと報じられている。
パパ活の新形態として「頂き女子」なるジャンルを確立した真衣容疑者は、SNS上では一部から「教祖」と呼ばれる有名人だったという。男性から直接、言葉巧みにお金を騙し取るだけでなく、男性を騙すテクニックを網羅した「頂き女子の参考書~お金を頂くための設定と極秘会話法~」なるマニュアルを1~3万円で1000人以上に販売。実際にマニュアルを購入し、男性2人から計1065万円を騙し取った20歳の女子大学生がすでに逮捕・起訴されており、真衣容疑者もこの一件に絡んで詐欺幇助容疑で逮捕済みだ。
逮捕前に真衣容疑者に複数回、取材したジャーナリストの草下シンヤ氏がこう話す。
「彼女自身は、実際にマニュアルを買った人のなかで実践に移して『お金を儲けた人は少ないんですよ』と話していました。いくらやり方を書いても、現実にお金を騙し取るには本人の性格や資質も関係してくるため、彼女と同じようにできる人は少なかったようです。逮捕後、彼女は『詐欺になることもわかっていた』と供述したそうですが、取材当初は“犯罪をおかしている”との意識は希薄でした」
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