「岸田おろし」寸前だった 「増税メガネ」「減税詐欺」呼ばわりに激怒する首相の思考停止
2敗だったらヤバかった
10月23日に投開票が行われた衆院長崎4区と参院徳島・高知選挙区の補選。与野党が激突した結果は1勝1敗となったが、これを永田町はどう受け止めたのだろうか?
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「投開票日を迎える直前まで、与党が2敗するのではないかとの危機感がありました。衆院長崎4区で与党が勝利し、岸田官邸はホッとしたというのが本音ではないでしょうか」
と、政治部デスク。
「もっとも、2敗であれば岸田おろしに発展した可能性が高かったと言われていますね。岸田首相では次の選挙は戦えないから、別の選挙の顔を立てようとする動きが活発化していたということです」(同)
参院徳島・高知選挙区については、私設秘書を殴打した元自民党参院議員が辞職したことで補選が決まった。
「不祥事をきっかけに補選がスタートしたことで、与党内では“負けても仕方がない”との空気がありました。さらに当選した候補の父親は保守系として知られてきた人物ということもあって、なかなか難しい戦いを強いられたことは事実です」
揺さぶりをかける勢力
一方の衆院長崎4区では、与党側から政治家一家の3世が出馬して当選した。
「選挙の直前段階では落選の可能性が取り沙汰されており、与党側が大動員をかけた結果、追い越せた印象です。無党派層の多くが野党候補に投票しており、そのあたりも大いに苦戦した原因であり、岸田政権批判の行動とみられています」(同)
仮に2敗していれば、どのように政局は動いたのか。
「表向き岸田政権を支持していた勢力も、求心力を失ったとみれば揺さぶりをかけるというのが永田町ではよくあるパターンではあります。安倍派はもちろん茂木派、岸田派の中でさえ、そういう声があがっていた可能性がありました」(同)
ただ、そういった勢力にとって悩ましいのは「担ぐ神輿(みこし)」がいないことだという。
「後継候補とされる茂木敏充自民党幹事長にしろ、河野太郎デジタル相にしろ、帯に短し、たすきに長しといったところで、選挙の顔たりえる人物がいないのが現状です。本人はとてもやる気に満ちているようなんですが。そんなこともあって今回の補選で政局に発展するようなことはありませんでした」(同)
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