5代目工藤會の新執行部人事 「死刑回避」で闘争中の野村総裁の意向はどれくらい反映されているのか?

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新しい人事からわかること

 新しい人事からわかるのは、「田中組が依然として本流であること」だろう。田中組3代目が野村総裁、4代目が田上会長、そして5代目が菊池前理事長であり、田中組のトップが工藤會の中枢を占める人事が続いている。

「今回の人事は控訴審を意識したタイミングでうごめき、そして発表されたものです。野村・田上の2トップがひとまずポストにとどまるということも踏まえると、田中組支配、野村・田上支配が続いていると見ることもできるでしょう。死刑判決を回避すべく2人は組織から距離を置く旨を明らかにしたわけですが、こういう人事を見ると、それだけでは物足りないと思われてしまう可能性もあるかもしれません」(前出・記者)

 一方、先の竹垣氏はこの点を否定し、「死刑判決にかかわらず野村・田上の2トップが生きて社会生活を送ることはありませんから、事実上5代目工藤會は2人と決別し、組織を運営していくものと捉えています」と話す。

 ちなみに、野村総裁は2011年から総裁に就任しており、「このポストは名誉職にすぎず上位下達の指示系統から外れている」と当人は主張してきたものの、それは1審で否定された。次回公判は11月29日に予定されている。

デイリー新潮編集部

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