「角川歴彦元会長」2億円保釈も束の間「兄・春樹」が角川文化振興財団を提訴 “お家騒動”の火種は「角川家の家宝」だった

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五輪汚職事件で“再燃”

 天秤棒が単なる「家宝」でなく、〈角川家祖先の祭祀、礼拝に供される位牌や仏具などと同等の祭具〉でもあったため、春樹氏にとって返還は悲願だったとされる。

 事態が動いたのは昨年9月、東京五輪のスポンサー契約をめぐる汚職事件にからみ、歴彦氏が贈賄容疑で逮捕されたことだった。翌10月、春樹氏は改めてKADOKAWAに天秤棒の引き渡しを求めたが、天秤棒は同社でなく、財団が所持していることが判明したため、財団側に返還を要請。

 財団は今年7月の回答書で、そもそも天秤棒は春樹氏の主張するような祭具(祭祀財産)ではなく、「商売道具」に当たると主張。そして春樹氏が父・源義から祭祀承継者に指定されたと認めるに足る、具体的な事実も提示されていないとして〈返還請求には応じかねます〉と門前払い。この対応を受け、春樹氏は今回の提訴に踏み切ったという。

 春樹氏側の代理人弁護士に話を聞くと、

「源義さんから春樹氏に譲渡がなされ、天秤棒が春樹氏の所有物であるのは動かしがたい事実。一方、財団および歴彦氏が天秤棒の承継を受けた事実はなく、財団が天秤棒を所持することに法的根拠が全くないのは明らかです。本提訴は所有者のもとに所有物を返してもらうという、極めてシンプルな訴えに過ぎません」

 と話した。

 一方、被告となった角川文化振興財団にも、提訴に対する見解や天秤棒を所持するに至った経緯などについて訊ねたが、

「現在、係争中のため、回答は控えさせていただきます」

 と答えるにとどまった。

 80歳を越えてなお、闘争本能の衰えぬ「風雲児」が仕掛けた“最後のお家騒動”の結末やいかに――。

デイリー新潮編集部

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