巨人がドラ1で獲得 中大「西舘勇陽」は佐々木朗希の宿命のライバル 過去に報じられた“行方不明事件”が象徴する人物像
「大自然で育った愛されキャラ」
2年生になった西舘は、春と夏の甲子園に出場。3年生でも夏の甲子園に出場したが、その際に佐々木朗希との“因縁”があったのは前に見た通りだ。
スポーツ紙も西舘の才能には着目していたようで、日刊スポーツが19年5月22日に「花巻東の西舘は狸と狐と話せる?」との記事を掲載している。
記事は冒頭で、岩手県のドラフト級・高校生ピッチャーは佐々木朗希だけではないとし、西舘の名前を挙げた。5月20日に自己最速の147キロをマーク。1年生の時から「大谷2世」と注目されていたことを伝えた。
そして西舘の素顔として、「図太い神経」を挙げた。その象徴が“行方不明事件”だったという。記事を引用させていただこう。
《“行方不明事件”が性格を象徴する。腰治療のため、電車で通院予定だったが音信不通に。野球部関係者や両親が“捜索”。乗り継ぎに迷ってベンチに座ったまま「疲れて寝ちゃっていました…」。携帯も乗車時マナー徹底で電源オフに。起こされるまで熟睡した“大物”だ。鎌田茂コーチ(66)も「あいつはタヌキやキツネとも会話できるんですよ」と苦笑いで証言するほど、大自然の中で育った愛されキャラだ》
巨人・水野スカウト部長が高評価
中央大学に進学するとさらに球速が増し、関係者の熱視線を浴びた。特にスポーツ報知が丁寧な報道を続けており、巨人がドラフト1位として指名したことを考えると興味深い。
同紙は昨年12月22日に「大学野球 中大が練習納め 155キロ右腕・西舘勇陽はクイック磨く」との記事で《来秋ドラフト候補》と報道。今年9月4日には「東都大学野球 第1週第2日 中大・西舘勇陽が圧巻の7回10K」との記事を掲載。中大が青山学院大学に7対1で快勝した試合を伝える際、西舘を大きく取り上げた。
西舘は初回からストレートが150キロ台と絶好調。4回までは1人のランナーも出さない好投だった。勝利に大きく貢献した西舘をスポーツ報知はどう報じたか、引用させていただこう。
《185センチの長身から全てクイックモーションで投じる独特のスタイルで、この試合は最速153キロを計測した。「クイックから、あれだけ強い球を投げられるのは魅力。1位候補でしょう」と巨人・水野(雄仁)スカウト部長。「カット、スライダーの切れが素晴らしかった」と複数のスカウトが絶賛した》
報道通りに巨人が西舘を1位指名したことになり、“有言実行”と言えるのかもしれない。
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