神田駅が「アース製薬本社前駅」に、発車メロディーは「お口くちゅくちゅモンダミン」 大胆な広告のお値段は?
殺虫剤・衛生用品メーカーのアース製薬の社名は大抵の人が知っているが、東京・神田(神田司町)に本社があることは、よほどの“通”でなければ答えられないだろう。
【写真を見る】バスロマンにサラテクト アース製薬の商品名が出口の名前に
そこで、というわけなのか、JR神田駅に「アース製薬本社前」の表示が出現したのは10月2日である。この表記がホームや駅前の名標に記されているだけでなく、東西南北四つの入口に、それぞれ「サラテクト口」「バスロマン口」「アースジェット口」「モンダミン口」と同社の人気商品名が掲げられている。さらに、ホームの発車メロディーが〈♪お口くちゅくちゅモンダミン!〉のアレである。ちょっとやり過ぎな感じもするが、アース製薬に聞くと、
「当社は32年前からこの神田の街で営業活動を始めさせていただきました。このJR神田駅は多くの社員が日常的にありがたく利用させていただいております。当広告展開については、神田の街と共に今後も歩みたいと願う弊社の姿勢をJR神田駅ご利用の皆様にもお伝えできると考え、JR東日本様・関係各所様と多面的に検討を行い、実施することにいたしました。(商品名を入口に使ったのは)当社の数ある商品の中で、代表的な商品名を使用することによって、駅を使用されるお客様がイメージしやすいと考え、決めさせていただきました」(広報室が文書で回答)
「神田駅はBランク」
過去にはJR恵比寿駅でヱビスビール、JR新橋駅でサントリー角瓶のCMソングを発車メロディーとして流した事例があるが、ここまでアース製薬の広告で固めたのは初めて。
で、気になる広告料だが、
「ご回答は控えさせていただきます」(同)
そこで広告を取り扱ったJR東日本企画に聞いてみると、やはり料金は教えられないとのことだが、駅の広告料(ポスター等)にはランクがあるという。
「山手線で最も広告料が高いのは、新宿駅と渋谷駅でSランク。意外かもしれませんが東京駅は次のAランクです。神田駅はその下でBランク。もっとも、今回は試験的な企画ですから、他の駅と比較することはできません」(JR東日本企画の広報担当者)
同社によると神田駅の「本社前」や商品名を使った入口、発車メロディーは、これから5年間続けられるという。ホームで「あ、モンダミン買わなくちゃ!」と乗客は思い出してくれるのだろうか。