低賃金労働者として貧しい子どもが移民として送り出された時代 その後、人権軽視の報いが(古市憲寿)

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「1860年代から1920年代:1200人の貧しいブリストルの子どもたちがカナダへ送られた」

 歴史博物館のパネルに書かれていた一節が目に留まった。ここはイギリスの港町ブリストルである。商工業都市として栄え、近年では金融産業も進出する人口約50万人の街だ。

 今でこそイギリスは移民の受け入れ国である。ちょうど博物館の前でも、難民受け入れの是非を巡るデモ行進が繰り広げられていた。掲げられていたプラカードには「ブリストルは難民を歓迎する」とあった。...

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