ドラフトで成功、失敗している球団を調査 リーグ制覇の阪神、オリックスは順調…ワーストは?

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1位:埼玉西武ライオンズ(14人)

 1位は14人の埼玉西武ライオンズだった。そのうちの8人が投手だ。2017年ドラ4の平良海馬は、2019年から昨季まで勝ちパターンのセットアッパーとしてフル回転した。先発に転向した今季は開幕からローテーション入りし、23試合登板、11勝7敗、防御率2.40の好成績をマークした。

 2020年育成5位の水上由伸は2021年5月に支配下登録され、2022年に開幕1軍入りした。その年はリリーフで60試合に登板し、自身初のタイトルとなる最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得したほか、パ・リーグ史上初となる“育成ドラフト出身の新人王”にも輝いた。このほかの投手には、2018年ドラ1の松本航、2019年ドラ1の宮川晢、2021年ドラ1の隅田知一郎とドラ2の佐藤隼輔がいる。

 野手ではまず2021年ドラ3で捕手の古賀悠斗だ。今季は100試合に出場し、正捕手争いで一歩リードしている。同じ捕手で2019年ドラ5の柘植世那は徐々に出場回数を増やし、2番手捕手の役割をまっとうしている。

 2020年ドラ8の岸潤一郎は、内外野をこなすユーティリティ選手だ。2021年は100試合出場、打率2割2分を記録した。

 西武は1軍の戦力になっているドラフト指名選手が多いものの、全体的にブレイク一歩手前の活躍といった印象が強い。それがここ数年の不安定なリーグ順位に繋がっているのではないだろうか。

ワースト1位は若手打者の伸び悩みが目立つ中日

 4位は12人のヤクルトスワローズだった。2017年ドラ1の村上宗隆とドラ4の塩見泰隆、2018年ドラ1の清水昇、2019年ドラ5の長岡秀樹、2020年ドラ1の木澤尚文とドラ3の内山壮真、2021年ドラ2の丸山和郁らの獲得が、2021年からのリーグ2連覇に繋がった形である。

 ワースト1位はわずか7人の中日ドラゴンズだった。その中で印象的な投手は3人いる。2017年ドラ4の清水達也は昨季、勝ちパターンのセットアッパーとして定着した。2018年ドラ3の勝野昌慶は今季からリリーフに本格転向し、防御率2.01の好成績を収めた。2020年ドラ1の高橋宏斗も防御率2.53をマークしている。

 2019年ドラ5の岡林勇希は昨季にライトのレギュラーの座を掴み、チーム最多の142試合に出場した。この年は最多安打のタイトルとゴールデングラブ賞を獲得し、ベストナインにも選出されている。2019年ドラ1の石川昂弥は今季、121試合出場、打率2割4分2厘と飛躍のきっかけを掴んだ。

 中日が勝てない原因は打線の弱さだと言われ続けている。今季で規定打席に到達したのは岡林と石川、ベテランの大島洋平のみだ。若手打者の伸び悩みが2年連続最下位という結果につながった感は否めないだろう。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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