ドラフトで成功、失敗している球団を調査 リーグ制覇の阪神、オリックスは順調…ワーストは?
10月26日に行われるプロ野球ドラフト会議。その結果ですぐに「勝ち組」と「負け組」を判断してしまいがちだが、プロのスカウトを含む関係者たちは「本当のドラフト採点には5年はかかる」と口を揃える。そこで今回は、2017年から2021年のドラフト指名選手で現在の1軍戦力になっている人数を調べてみた。(注:ルーキーイヤーの2022年指名選手とトレードされた選手は含まず)
【写真】「不安で一杯」ドラフト史に残る“まさかの1位指名” 後に大活躍した選手とは?
2位タイ:阪神タイガース(13人)
13人で並んだのは今年のリーグ優勝チーム、阪神タイガースとオリックス・バファローズだ。
阪神は2018年と2020年の当たり年が大きい。2018年組はドラ1の外野手・近本光司が今や不動のリードオフマンとして君臨している。ドラ3の木浪聖也も今季はショートでレギュラーの座を掴み、プロ入り後初の規定打席に到達した。ドラ6の湯浅京己は昨季、最優秀中継ぎのタイトルを獲得している。
2020年組には、18年ぶりのリーグ優勝に貢献した選手が5人もいる。ドラ1の佐藤輝明はプロ1年目から3年連続で20本塁打以上を記録し、今季も132試合に出場。キャリアハイとなる92打点をマークした。今季からセカンドにコンバートされたドラ6の中野拓夢は全試合にフルイニング出場し、最多安打のタイトルを獲得している。
投手ではドラ2の伊藤将司が新人からの3年間で29勝を挙げ、通算防御率2.49と抜群の安定感を誇る。ドラ5の村上頌樹は今季に大ブレイクし、22試合登板、10勝6敗、防御率1.75で最優秀防御率に輝いた。ドラ8の石井大智も中継ぎとして44試合登板、防御率1.35で勝ちパターンの1人に定着している。
2019年組の投手もドラ1の西純矢とドラ3の及川雅貴が活躍中だ。育成1位の小野寺暖も3年目にしてようやく存在感を見せつけた。阪神が18年ぶりのリーグ優勝に輝いたのは、見事なまでのドラフト戦略が成功した結果だとも言える。
2位タイ:オリックス・バファローズ(13人)
3年連続リーグ優勝を果たしたオリックスも、複数選手がチームの戦力になっている。野手は2017年ドラ3の福田周平、2018年ドラ2の頓宮裕真とドラ7の中川圭太、2019年ドラ2の紅林弘太郎、2021年ドラ2の野口智哉だ。
頓宮は捕手だったが、今季は一塁手または指名打者で出場し、打率3割7厘で自身初の首位打者を獲得した。昨年に3番・レフトでスタメンに定着した中川は、今季も135試合に出場し、打率2割6分9厘をマークした。プロ2年目から1軍に定着した紅林は、今季は127試合に出場し、リーグ6位の打率2割7分5厘という好成績を残した。
投手は2017年ドラ1の田嶋大樹、2019年ドラ1の宮城大弥、2020年ドラ1の山下舜平大とドラ6の阿部翔太、そして育成3位の宇田川優希といった顔が並ぶ。
宮城は変幻自在の投球を武器に、2年目から3年連続で二桁勝利を収めた。山下は過去2年の1軍登板はなかったが、今季は16試合登板、防御率1.61の好成績をマークした。宇田川は昨年7月末に支配下選手となり、今季は46試合登板、防御率1.77と活躍している。
オリックスは2013年からの5年間、ドラ1、2で獲得した10人のうち6人が社会人投手だった。2018年以降はドラ2以上で社会人選手を獲得せず、スケールの大きな高校生を上位指名した。リーグ3連覇に繋がった一つの大きな要因は、この中から宮城や山下、紅林が早々に台頭したことだと言えそうだ。
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