「失業率は70%」「子どもの20~25%は治療が必要なレベル」 ガザの苦難の実態とは

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阿鼻叫喚の逃避行

 まさにこの世の地獄――。

 イスラエルのパレスチナ自治区・ガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」。彼らによって、突如イスラエル各地に2500発ものロケット弾が撃ち込まれたのは、今月7日のことだった。ハマスは同時に武装組織を送り込み、無差別殺りくや人質の拉致を行った。イスラエル側の死者は1400人に上るといわれる。

 もちろんイスラエルも黙ってはいない。即座にガザに反撃の空爆を6千回も見舞い、ハマス壊滅を狙って地上戦を行うことも宣言。市民に対しては、ハマスの拠点である北部から南部へと避難するよう、勧告を出したのだ。地区の死者は既に2700人を超える。

 ガザ地区は、福岡市ほどの面積に220万人が住む、世界有数の人口密集地。そこで空爆が行われている中、住民が大移動する――阿鼻叫喚の逃避行となるのは想像に難くない。

“自宅で死ぬ”

「紛争が勃発した7日、私はたまたまヨルダンにいて、難を逃れました」

 やはりガザ地区で支援を続けてきたNGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」のパレスチナ事業現地調整員・大澤みずほ氏は言う。

「普段からガザでお世話になっている人たちとはFacebookやワッツアップで安否確認をしています。その一人、アリさんは家族で南部に避難しましたが、水が底をついてしまい、もう2日間、水を飲んでいないそうです」

 イスラエルが物流を止める「完全封鎖」を行っているため、ガザ地区では電気がほぼストップ。ポンプでのくみ上げができないため、水道も使えない。

「ニュースも見られないので、何が起きているのかさえわからない。違う国に来たみたいだ――と彼は言っていました。もう一人、現地パートナー団体のウィサムさんは、子どもと共に南部に避難しましたが、水はギリギリあるものの、食料がないと。別の知人の家には、寝る場所を求めて100人もの人が押し寄せているそうです。退避しろと言われても、避難民が乗るトラックに爆弾が直撃し、70人が亡くなったなどのニュースも流れていますから、パレスチナ人はもう何も信じられない状態。“自宅で死ぬのが本望”と、残る人もそれなりにいるそうです」

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