「飲むだけで-3kg!」大流行の「韓国式ダイエット漢方」に潜むリスク 専門家は「健康被害に繋がる可能性がある」

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漢方薬だから安心ではない

 インターネットやSNSを通じ、海外のクリニックなどから輸入したダイエット薬の健康被害は度々問題になっている。

「今年1月には、ダイエット効果を謳ったベトナム製の『デトキシレットゼリー』の被害が問題になりました。“痩せるゼリー”としてSNSなどで販売されていましたが、未承認の医薬成分『シブトラミン』が含まれていたのです。『シブトラミン』は、肥満症の治療薬の成分として1997年にアメリカFDAが承認しましたが、のちに循環器系の副作用が多数報告され、販売が中止になったものです。ゼリーを服用した人は、動悸や頭痛に悩まされることになりました」

 さらに数年前には、「ホスピタルダイエット」や「MDクリニックダイエット」といった名称で個人輸入されていたタイ製のダイエット薬の健康被害が問題になった。厚生労働省のHPによると、インターネット販売された錠剤やカプセルから、パッケージなどには記載の無いさまざまな医薬品成分が検出された。服用した人は動悸、ふらつき、四肢の麻痺、甲状腺機能亢進などの症状が現れ、死亡した例まで報告されているという。

「最近、若い世代を中心に人気になっている『ダイエット漢方』は、漢方だから作用が優しそうで安心といった印象を持っている人がいるかもしれませんが、それは間違いです。漢方薬であっても効き目が強いものがありますし、個人輸入であれば、漢方薬と謳いながら生薬以外の医薬成分が含まれている可能性も十分ありえます」

 ダイエット効果を報告する投稿がある一方で、「韓国式ダイエット漢方」を服用することで動悸や倦怠感などを感じ、飲むのを止めたというブログ記事などもある。

「同じ薬を飲んでも、副作用が出る人とそうでない人がいます。SNSでも一部にそうした報告があるということは、一定の人に副作用が出る可能性があると考えた方が良いでしょう」

 副作用が一時話題になった昨年には、韓国式ダイエット漢方を販売するクリニックが〈処方する際に第一に考えるのは、服用したときにお客様が不快な症状・副作用がないことです〉とし、漢方薬を摂取しながらの過度な食事制限が副作用を招く可能性があると注意喚起をしている。

どこから送られてくるかは不明

「韓国式ダイエット漢方」には、医師やクリニックが監修していることをアピールしているものも多い。

「たとえクリニックや医院が窓口になっていたとしても、そのクリニックや医院は架空かもしれないし、その先に誰が繋がっているかは確かめようがありません。海外通販であれば、なおさらです。そんな薬を体に摂り入れるリスクを考えて欲しいと思います」

 購入する際は、LINEを通じて問診したのちに処方されるというが、それでも安心できるわけではないという。

「メッセージを通じて問診をするという仕組みも、買う方には安心感を与えるかもしれませんが、どれだけ機能しているかは不明です。形だけの問診かもしれませんし、その内容が処方にどれほど影響しているのかは分かりません」

 やはりHPの宣伝内容やSNS上の口コミだけを参考にするのは危険なようだ。

「今や小学生も、1人1台スマホやタブレットを持つ時代ですから、海外から個人輸入することも簡単にできてしまいます。ネットを通じて購入する『ダイエット漢方』には、リスクが大きいことを知って、安易に服用しないよう気を付けてほしいです。重篤な健康被害に繋がりかねません」

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