立ちんぼ女子を「買う」男たちの事情 「婚活の憂さ晴らし」「恋人では得られない興奮を求めて」
奢っただけでめちゃくちゃ感謝してくれる
「やめたいけど、やめられない。もう中毒なんだなと思う」と話すヒロ氏は、「女性を買ったのではなく『遊んだ』」のだと強調する。それは、彼の抱えている悩みと関連しているようだった。
「婚活をしているのですが、全然うまくいってないんですよ。30代になってくると、アプリではもう20代とはもうマッチングしなくなる。年収、学校、家柄や家事能力などで値踏みされるし、ライバルも多すぎるしね。だからここで手っ取り早く疑似恋愛したほうが楽。コロナで性欲発散できなかったのもあるし。普通に恋愛して、良い相手を見つけてトントン拍子に結婚できていれば、こんなところに来てませんよ」
ヒロ氏は婚活で出会う女性に対する怒りや失望を、交縁女子と交わることで埋めようとしているようだった。
「マッチングアプリの女は総じて性格が良くない。デートも奢らなきゃいけないし、色々と気を遣わなければいけないし、品定めしてくる。奢らなければ良いって? 確かにそうだけど、奢ったほうが印象が良く、次につながりやすいのは確か。それに俺も性格が悪いから、奢ると言ったときの反応をみて性格の良し悪しを判断してるのもあります。それに比べて公園の女の子は奢っただけでめちゃくちゃ感謝してくれるから。だからつい、来ちゃう」
それならば、ここで知り合った女性と付き合う可能性はあるのか? と聞くと「それはない」と即答する。
「彼女たちが抱えている複雑なものを引き受ける気はないんで」
ヒロ氏は「要は、寂しいんです」とも言った。交縁女子とかりそめの恋愛を楽しみながら、マッチングアプリとナンパで婚活に勤しむ。出口の見えない日々への虚しさからか、彼はこうぼやく。
「結局、この街ではホストがヒエラルキーの頂点なんですよ。マッチングアプリのほかにナンパも並行してて、今日も歌舞伎町で3人ひっかけたけど、みんなホス狂い。本当にムカつきますよ。でも、仕方ない」
婚活では埋められない何かを求めて、ヒロ氏は「ディズニーランド」を今日も歩き回るのだ。
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