「娘は自殺を考えたこともあると…」「コンビニの方が時給は高い」 宝塚のブラックすぎる内情を団員の親が告発!
「団員の多くは親から金銭的な援助を」
別の現役団員の母親は、背景に劇団の不当な労働環境があると訴える。
「給与は新卒のOLほど。自主稽古の時間は労働時間と見なされないため、娘たちは“コンビニで働くほうが時給は高い”と嘆いています。そのうえ舞台で使用するものなのに、メイク道具や娘役のカツラもすべて自腹。1公演でいくつものカツラをつける娘役には大きな負担です。ファンの方々が差し入れでメイク道具をくれることもありますが、団員の多くは親から金銭的な援助を受けています」
少なすぎる「睡眠時間」についても嘆息する。
「新人公演は研究科7年目まであります。新人公演の準備期間中、娘たちは18時半の本公演終了後、だいたい20時ごろから稽古を始める。練習は日々深夜まで続き、特に初舞台の際などは深夜1時に帰って、朝5時に家を出るという生活を毎日のように送っていました。家に帰って来てから翌朝までのわずかな時間を、稽古で使う大道具や小道具を作る時間に充てていましたので、実際にはほとんど眠っていなかったはずです」
「伝統という名の暴力と決別すべき」
一連の問題について、木場健之(こばけんし)理事長(60)に直接質したが、
「何も答えられません」
東さんが改めて語る。
「そもそもエンターテインメントだからという理由で搾取や暴力が許されるということは決してあってはならない。ジャニーズ問題のように、みんなが知っているけど声を上げられないという時代はいい加減、終わりにしないといけない。今こそ宝塚は、伝統という名の暴力と決別すべきではないでしょうか」
惨憺(さんたん)たる舞台裏が“清く正しく美しい”桜の園になる日は来るのか――。前編では、OG・東小雪が古巣の“ハラスメント体質”への切実な思いを語っている。