「平日の睡眠時間は30分から1時間」「恐怖の“爆弾ノック”に下級生は震えあがり…」 OGが証言する宝塚内部の「凄絶ハラスメント」
恐怖の「爆弾ノック」
無論、被害者は一人ではない。宝塚OGの東小雪さんも以前から、古巣の“ハラスメント体質”を告発してきた。
「宝塚独自の作法といえば、音楽学校の廊下を直角に曲がるとか、阪急電車にお辞儀するだとかが広く知られてきたと思います。ですが実際にはもっとひどい振る舞いが常態化しているのです」
と、東さんご本人。
「その最たる例が音楽学校の2年間で体験する、“爆弾ノック”に始まる一連の“指導”です」
学校の1年目に当たる予科生は2年目の本科生から何らかの指摘を受けた場合、まずは当事者として反省文を書くという。しかしそれだけでは許されない。
「同期の予科生全員で、その反省文を本科生の前で暗唱します。その後、予科生全員で小部屋に集まるのですが、しばらくすると、ドンと大きな音をたてて本科生が扉を蹴ったり、強くたたいたりする。これが“爆弾ノック”と呼ばれるものです」
そのノックを皮切りに、本科生から予科生に対する指導が始まるのだ。
「平日の睡眠時間は30分から1時間」
しかし、それがいつやって来るのか分からず、予科生たちは小部屋の中で神経を尖らせ、本科生の訪れを静かに待つしかないという。
「“指導”では本科生は、全体に説教をすることもあれば、予科生のうちの一人を選び、反省文の暗唱をさせることもありました。暗唱の際にひと言でも間違えようものなら、また詰問が始まるのです」
爆弾ノックのせいで扉のガラスが割れることさえあったそうだが、
「音楽学校の先生たちは“もう少し手加減したほうがいい”と注意するのみで、日常的な、行き過ぎた“指導”に注意を促すとか、制止するとかといった様子は見たことがありません」
そんなふうに予科生は毎晩、指導を受けて反省を強いられるため、
「平日の睡眠時間は30分から1時間ほど。土日でも、3時間ほどしか眠れない日々が続きます。授業中に寝る、歩きながら寝るというのは日常茶飯事でした」
指導を受ける際、生徒は床に突いた膝から上を垂直に保ったままの姿勢を強いられ、膝が黒ずんでしまうこともあった。もはや戦前の大日本帝国陸軍のシゴキもかくや、という有り様だ。
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