巨人、阪神、DeNAをクビになった選手は“再生”できるのか…「中島宏之」は古巣西武に復帰もあり?

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ニーズが高い「左の中継ぎスペシャリスト」

 自由契約となった投手のなかで、面白い存在になりそうなのが、DeNAから戦力外通告を受けた34歳の田中健二郎だ。

 2016年からは2年連続で60試合以上に登板するなど、左のリリーフとして活躍。2019年にトミー・ジョン手術を受けて長期離脱したが、昨年は47試合に登板して防御率2.63と復活を果たした。

 今年は、左太ももの肉離れで出遅れた影響もあり、一軍では11試合の登板に終わったものの、二軍では27試合に登板、防御率1.37と安定した成績を残している。

 以前に比べて、ストレートのスピードが落ちている印象は否めないとはいえ、ボールの角度は大きな魅力で、決め球のフォークにもまだまだブレーキがある。左の中継ぎのスペシャリストはニーズが高いだけに、獲得調査に乗り出す球団が出てくることは十分に考えられる。

 近年、セ・リーグで戦力外となった選手では、藤井皓哉が2020年オフに広島を退団し、1年間独立リーグでプレーした後、ソフトバンクでNPBに復帰した。現在では投手陣に欠かせない存在となっている。藤井のように、ピンチをチャンスに変えて、大きく飛躍する選手が出ることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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