ヘンリー王子とメーガン妃は“軌道修正”に乗り出すのか 「カーチェイス」騒動後のNY再訪問に見る今後の方向性

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 英米での支持率低下が度々報じられているヘンリー王子とメーガン妃。今年もイメージダウンにつながる出来事が多発し、移住先の米国でも厳しい目を向けられている。そんな中で行われたニューヨーク訪問は、夫妻の言動もお決まりの批判報道も控えめで、これまでで最も静かなものに終わった。近頃は「軌道修正」の必要性を説かれることも多い夫妻だが、この静かな訪問は今後の方向性を示しているのだろうか。

短距離を7台のSUV車で移動

 ヘンリー王子夫妻のイメージを低下させた今年の出来事には、5月にニューヨークで発生した「あわや大惨事のカーチェイス」がある。「執拗な追跡が2時間以上」「警官2人など第三者を巻き込み複数回の衝突事故が起きた」といった2人の主張に対し、ニューヨーク市警を含む関係者がそこまで激しい事件ではなかった事実を匂わせたからだ。

 世界メンタルヘルスデーの10月10日、夫妻はそんな“因縁の地”を再訪した。主な目的はパネルディスカッションへの出席と、夫妻の財団が支援する職業能力開発校の見学である。前回の「カーチェイス」を受けて現地移動には細心の注意を払ったようだが、一部のメディアはそこにすかさず突っ込んだ。

「エコ戦士のヘンリー王子とメーガン妃、7台のSUV車でガソリンを浪費しながら車列を組み、“1ブロック”を周回して会場へ」と報じたのは、英大衆紙「デイリー・メール」だ。夫妻は環境保護も活動範囲としているが、環境活動家を指す「エコ戦士」を自称したことはない。それでも皮肉としてこの“称号”を添える記事は、英大衆紙の得意技である。

 今回の移動は同一ブロック内の同じ道路に面した建物間だったが、周辺道路が一方通行のため、車で行くには大回りが必要だった。夫妻を歩かせる選択肢はないにせよ、7台のSUV車はさすがに多い。米国の芸能記者、ネルソン・アスペン氏は英保守系ニュース局「GBニュース」の番組で、この車移動は「ハリウッドの偽善の極みだ」と一刀両断した。

今回のNY訪問を評価する声も

 以前から夫妻のニューヨーク訪問は、野外ライブのステージで観客を煽ったり、貧困層の多い学校への訪問でメーガン妃が高級ブランドを着ていたりと、本来の訪問目的から外れたトピックスも豊富だった。その最新が「カーチェイス」だ。今回の訪問予定が明らかになった際、英米メディアは「あのカーチェイスから5カ月後」と書き立てた。

 だが、いざ訪問が終わると、7台のSUV車を報じる記事以外にいつもの勢いはない。活動日が1日のみだったこともあり、これまでで最も静かな訪問だったようだ。そこで目を引くのは、この訪問を肯定する記事である。

 PR専門家のメイア・ディアズ 氏は英大衆紙「デイリー・ミラー 」に対し、今回のニューヨーク訪問は「成功した」と語った。夫妻が重要視するメンタルヘルスの支援において、例の「カーチェイス」が障害にならないことを行動で示したからだという。

 ディアズ氏は、夫妻がパネルディスカッションで語った「若年層に対するSNSの悪影響」も「多くの人が共感できる」と評価した。その上で、「今の仕事をやり続けること」と夫妻にアドバイスを送っている。

NYからプライベートジェットでバカンスへ

 PR専門家たちによる夫妻へのアドバイスは英大衆紙の定番企画で、多くは「余計なことをするな」「軌道修正によるイメージチェンジを」と回答している。夫妻のブレーンに同じことを説く専門家がいるかは不明だが、今回のニューヨーク訪問に関しては必要以上に目立たない姿勢と徹底したメディアコントロールが顕著だった。

 夫妻のニューヨーク訪問後、夫妻の関係筋は英雑誌「OK!」に対し、「彼らには次の取り組みに向けた大きな計画がある」と語った。夫妻のイメージを下げたもう1つの出来事、音楽ストリーミング企業「Spotify」との巨額契約解消を受けたコメントだ。「Spotifyの失敗は2人の前進する気力に火をつけた」とも語っている。

 ニューヨーク訪問後の夫妻はプライベートジェットでカリブ海のカヌアン島に飛び、夫婦水入らずの時間を過ごした。離婚説の流布もまた、夫妻のイメージを下げた今年の出来事である。これが払拭できれば軌道修正に1歩前進できるだろうが、夫妻の帰宅を伝える「デイリー・メール」の記事に寄せられた読者コメントは相変わらずだ。

「彼らがプライベートジェットを使用して環境に配慮し続けていることを嬉しく思います」

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