ジャニーズ批判の裏で「中国ベッタリ発言」を連発… 日本ウイグル協会会長がサントリー新浪社長に警告「犯罪行為を助長することになり得る」
中国による人権弾圧には頬かむり
「自社の利益のみを求めて中国に販路を伸ばす企業は、いずれその行動が自らの首を絞める、ということを理解しなければいけないと思います」
そう語るのは、日本ウイグル協会会長のレテプ・アフメット氏である。
「欧米や台湾の計11議会が、中国政府のウイグル人への反人権的行為を『ジェノサイド』であると認定しています。中国政府は公には人権上問題ない、としていますが、実際にはウイグルを実質的な植民地として、ウイグル人に強制労働をさせている。中国とのビジネスを拡大しようとする企業は、『ビジネスさえうまくいけば、相手が犯罪者でも構わない』という態度と捉えられても仕方ないのです」
新浪氏は、企業がジャニーズ事務所のタレントを広告に起用することについて、「チャイルドアビューズ(子供への虐待)を企業として認めることになる」と指摘している。にもかかわらず、中国によるウイグルでの人権弾圧には頬かむり。これを二枚舌と言わずに何と言うのか。
目下、中国ではサントリーのウーロン茶が販売好調だという。新浪氏は、生産増強を自前でやるか現地企業に委託するかについて、
〈見極めの期間が必要になったかなと思っている〉(9月1日付ロイター通信ニュース)
と、語っている。
犯罪行為を助長
「もしサントリーが現地に工場を建てるというのであれば、工場勤務者や原料生産業者にウイグル人の強制労働者が交じったとしても何らおかしくありません。飲料などの生産に強制労働者を交じらせず、完全にコントロール下に置くのはとても困難なことだと思います」(前出レテプ氏)
ウイグル人の強制労働者は17年以降に大幅に増加し、現在は300万人を超えるともいわれている。
「1週間で1万5千人が強制収容所に送られたという話もありますが、こうしたデータはたまたま当局資料が流出して分かっただけで、氷山の一角に過ぎません。ナチスのホロコーストもそうでしたが、実際にジェノサイドが行われている最中にはメディアのコントロールが利いており、具体的な数字や惨状のうち、表に出てくるのはごく一部なのです」(同)
しかし、長い年月を経れば全体像が見えてくる。
「中国でのビジネスを拡大すればするほど、それはある意味で中国の人権弾圧、犯罪行為を助長することになり得ます。目先の利益にとらわれてこのまま企業が中国での事業を推し進めれば、いつか“あの時やめておけば”と後悔する時が来ると思います」(同)
中国が人権弾圧を行っているのは、ウイグルに対してだけではない。
「チベットでは各戸に番号が振られて、人の出入りが当局に掌握されています。新しい人が来たら、その人の素性を報告するだけではなく、反中国的な政治活動をしている場合は密告するよう、政府から推奨されています」
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