「ジャニーズ離れ」推進役・新浪サントリー社長に対して、人権弾圧で苦しむ国の人は何を思うか
部下に携帯を投げつけ
コメント部分だけを見れば、正論ともとれるのだが、問題は発言者の資質である。すでにお伝えしたように、例えば新浪氏のローソン社長時代については激しいパワハラがあったという証言が寄せられている。
「会議の場で、売り上げの数字などが思ったように伸びていないとの報告があると、新浪さんは自分の携帯をその部署の担当者に投げつけるのです」(ローソン元幹部)
なかには携帯をぶつけられて骨折した者もいたという。他にもあまりに苛烈なパワハラで体調を崩した者がいたという証言もある。
サントリーにこれらの証言について取材を申し込むと「事実無根」とした上で、「刑事及び民事上の措置を講じる所存」というコメントが返ってきた。
日本企業は中国の人権侵害をどう見ているのか
社長による人権侵害に関する質問に対して、こんな回答で大丈夫なのか、「欧米のスタンダード」に照らし合わせて問題はないのか、といった心配はさておき、新浪氏個人ではなく、企業としてのスタンスに対しても厳しい声が上がってきている。
新浪氏の言う「欧米のスタンダード」を考えた場合、「人権侵害」という言葉で真っ先に浮かぶ対象の一つは、間違いなく「中国」である。ではその中国に対して、サントリーは、あるいは日本企業はどのような姿勢を示しているのか。利益を追求するあまり、中国の人権侵害に目をつむってはいないか。
その対応によっては、まさに人権侵害を「企業として認めることになる」のではないか。
実際に、中国による弾圧に苦しむウイグル、チベットの人はどのように見ているのか。その本音を聞いてみた。その口から語られた、切実でかつ厳しい意見については後編で。
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