「ジャニーズ離れ」推進役・新浪サントリー社長に対して、人権弾圧で苦しむ国の人は何を思うか

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どの口で言う

 物理学における「作用」「反作用」ではないのだが、他者を強く批判したあとに、その言葉がブーメランとなって返ってくることは珍しくない。ジャニーズ事務所の記者会見での「NGリスト」入りを厳しく批判していた記者が、実は自身の講演で特定メディアの入場を「NG」にしていた、といったこともその例だろう。ジャニーズ事務所に対して最も厳しいコメントを口にしていた新浪剛史サントリーHD社長(64)もまた、その実例といえるかもしれない。

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 これまでデイリー新潮では新浪氏の社内での苛烈なパワハラの実態を伝えたうえで、「どの口で言うのか」といった内部の声をご紹介してきた。

 が、ここへ来てよりグローバルな視点からも「どの口で言う」といった批判の声が聞こえてきているのだ。いままさに人権侵害で苦しんでいる国の人々は、日本を代表する企業のトップに対して何を訴えているのだろうか。

 

「欧米のスタンダードでは……」

 まずはここまでの経緯を見ておこう。

 新浪氏のジャニーズ事務所問題についての発言は、その後の企業の「ジャニーズ離れ」を加速させるのに一役買ったといわれている。企業がジャニーズのタレントを起用することに関して、次のように新浪氏は断じたのだ。

「チャイルドアビューズ(子供への虐待)を企業として認めることになる」

 さらに朝日新聞の取材に答えて、ジャニーズのタレントが出演するテレビ番組のスポンサー契約の見直しの可能性も口にした。

 経済同友会の代表幹事でもある新浪氏の一連の発言が企業の「ジャニーズ離れ」を決定付けたことは明らかで、スポーツ紙には「新浪ショック」の文字が躍ったのである。

 このように発言が大きく取り上げられたこともあってか、9月29日に日本記者クラブで行われた会見でもジャニーズ問題について以下のように語っている。

「欧米のスタンダードだと、その会社そのものが立ち行くことは難しくなる。ニューヨーク・タイムズをはじめ、いろんなところから、日本は変わった国ですね、というネガディブな反応があります」

「海外で批判されるからということではなくて、自分の企業が持っている自らの行動規範の中では人権は大変重要であり、そういった意味で今回明確になった。ジャニー氏の行いは決して許されるものではないと」

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