世界から認められたいけど認められない 異端児「リブゴルフ」の苦境
ブルックス・ケプカは800万ドル獲得
サウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」の支援を受けて創設され、ゴルフ界を大揺れさせてきた“アナザー・ツアー”のリブゴルフは、今季の終盤を迎えつつある。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】
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10月13~15日、サウジアラビアで開催されたジェッダ大会は、今季に開催される全14試合中の13戦目。個人戦とチーム戦が同時に行なわれる形式としては今季の最終戦となり、リブゴルフ独自のポイントレースもこの大会をもって終了となった。
ジェッダ大会で勝利したのは、今季の全米プロの覇者でもある33歳の米国人選手、ブルックス・ケプカだった。ケプカは同じく米国人選手であるテーラー・ゴーチとのプレーオフを制し、優勝賞金400万ドル(約6億円)を手に入れた。
今季のポイントランキングで1位となり、1800万ドル(約27億円)のビッグボーナスを得たのは、プレーオフで敗れたゴーチだった。ランキング2位はオーストラリア出身のキャメロン・スミスで、700万ドル(約10億5000万円)のボーナスを獲得した。
ジェッダ大会で優勝したケプカはランキングでは3位となり、400万ドルのボーナスも獲得。優勝賞金と合わせた合計800万ドル(約12億円)を一挙に手に入れ、大満足の笑顔を輝かせた。
一方、弟のチェイスは…
しかし、そんなケプカとは対照的に表情を曇らせたのが、弟のチェイス・ケプカ だった。
今季からリブゴルフは、ポイントランキングに基づく選手の入れ替えを実施することになっており、全48名中の下位4名はリブゴルフの第一線から降格させられる。
今季のトップ25入りがわずか1試合と振るわなかった弟ケプカは、降格となる4名のうちの1名となってしまい、来季から戦いの場を求めて彷徨うことになる。
弟の窮状に兄ケプカは精一杯の励ましの言葉を口にした。
「チェイスはよく頑張っていた。よく練習もしていた。私も彼と一緒に練習していたから、今年、彼が少々苦しんでいたことは知っていた。でも、不調で苦闘する日々は、ゴルファーの誰にも訪れるものだ。それにチェイスがたった16カ月前までミニツアーに出ていたことを思えば、今季の成績はそんなに悪くはなかったと言っていいぐらいだ」
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