「プロミス」創業者妻の相続資産138億円を狙った「こてっちゃん」社長の脂っこさ

国内 社会

  • ブックマーク

お抱えの税理士

 村上とは、「こてっちゃん」などの食肉加工品を手掛ける「エスフーズ」の村上真之助社長のこと。兵庫に拠点を置くエスフーズは売上高4000億円の東証プライム上場企業であり、傘下に10以上のゴルフ場を抱える「バンリューゴルフグループ」も展開している。

「私にとって、ゴルフ場のスタッフは家族同然でしたから、決して売るつもりはありませんでした。17年に入ると、夫の体調不良が続いたため、私は北海道に滞在し、食事の世話などをしていました。その折、夫から神内ファーム21を第三者に売却するように指示された。しかし、4000頭の牛を飼育する大規模農場なので、なかなか買い手は見つけられませんでした」

 その最中、神内氏は死去。相続手続きは、札幌市にある税理士法人に依頼した。

「すると村上さんが、お抱えのKという税理士も相続手続きに加えるように強く勧めてきました。さらに、“俺が継いだろ!”と神内ファーム21の引き継ぎも申し出た。村上さんは食肉加工会社の経営者ですから、畜産業に精通しているだろうと、申し出をありがたく受けることにしたのです」

 18年4月、村上氏が代表を務める「バンリュー」なる会社との間で、神内ファーム21の株式譲渡契約が交わされた。

「と同時に、K税理士はマダムJゴルフ倶楽部を管理するOHBSの株式も、同じく村上さんが代表の“バンリューゴルフ”に譲渡する契約書を差し出してきました。相続手続きに必要だからと。その言葉に騙され、私は契約書に署名してしまったのです」

「週刊新潮」2023年10月19日号「MONEY」欄の有料版では、良子氏の証言を元に遺産乗っ取りの手口を詳報する。

週刊新潮 2023年10月19日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。