チュニジアのカドリ監督も大絶賛 久保建英のプレーはどこが凄かったのか

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“エースナンバー”を継承するのは誰か?

 試合前の選手紹介で一番大きな拍手が起こったのは、地元ヴィッセル神戸でストライカーとして頭角を表した古橋だった。交代出場で多くの拍手に迎えられたのは大阪出身のFW南野拓実だった。

 そして、この日、最も大きな拍手でピッチを後にしたのは久保だった。それだけ圧巻のパフォーマンスだったことを、ノエビアスタジアム神戸に詰めかけたファン・サポーターも認めた証拠だった。

 とにかく“肩の力”が抜けていて、相手を見下しているかのような余裕のあるプレーだった。トップ下に限らず左右両サイドに顔を出しては、伊東や旗手と絶妙の連携を見せた。

 屈強なチュニジアの選手を相手にしても、身体を巧みに使って簡単にブロックする。相手が寄せてくればワンタッチでさばき、スペースがあれば迷わずドリブルで突進する。

 日本の攻撃をコントロールしていたのは久保であることを疑う余地はなく、まるでメッシのような風格さえ漂っていた。試合を重ねるたびにチームメイトの信頼を勝ち得ている(ように感じた)だけに、「背番号10」を継承する日もそう遠いことではないだろう。

 チュニジアのカドリ監督も日本で印象に残った選手を聞かれ、「1人を挙げるとするなら久保です。技術的な能力が高く、プレーが非常に賢い。サッカーではインテリジェンスが非常に重要です。素晴らしい選手」と絶賛していたことを付け加えたい。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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