赤身肉の聖地「肉山」店名を巡る商標トラブル…「負けへんで」と意気込む名物オーナーと相手方の言い分

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「このままの名称で営業をさせていただきたい」

 一方、プレコ社は取材に対し、「商標は弊社の方でも 2015 年に特許庁で登録させていただいております。店舗の名称については、かれこれ7年、8年前に登録してあたためてきたお名前でございますので、このままの名称で営業をさせていただきたいと考えております」と話した。

「肉山弁当」については、「肉山様がお弁当についての商標登録(出願)されたのが2020年12月でした。私どもの調査不足で、存じ上げていませんでした。先方の代表様にご連絡申し上げまして、弊社のお客様でもございますので、調査不足であったことを丁寧にご説明させていただいた上で、弁当の商品名については変更させていただきました」とし、ホームページ上の表記もその連絡後に変更したという。

 光山氏が創ったブランドに乗っかったのでは?という質問には「そのようにお考えの方も中にはいらっしゃるのかと思うのですけれども、弊社といたしましても『肉山肉右衛門』というお名前を登録させていただきましたのが2015年の話でして、(※筆者註:光山氏が肉山を登録した)2014年の時点では弊社のお客様ではなく(※筆者註:店名を知る機会がなかった)、その時点でブランドが一大ブランドになっていたかというと、ちょっとそのあたりは私ども不明な中で肉山肉右衛門というお名前を登録させていただいたという経緯がございます」とし、出願当時、肉山という名称が知られているという認識はなかったという。

 光山氏は弁当の名称変更を受けて、再びSNSに<このメニューはホームページから削除されました。その件で先方から電話もありました。はい。次いこ。>と書き込んだ。

 プレコフーズが出願した「肉山肉右衛門」という商標は、特許庁に認められて登録されており、店名として使うことに法律上の問題は何もない。しかし光山氏はこの件を取り上げた別の人物のコメント欄に<大手の象が俺みたいなアリを踏みにきても負けないよと!!!>と書き込むなど、名称変更に向けて妥協する気はなさそうだ。

華川富士也(かがわ・ふじや)
ライター、構成作家、フォトグラファー。1970年生まれ。長く勤めた新聞社を退社し1年間子育てに専念。現在はフリーで活動。アイドル、洋楽、邦楽、建築、旅、町、昭和ネタなどを得意とする。シリーズ累計200万部以上売れた大ヒット書籍に立ち上げから関わりライターも務めた。

デイリー新潮編集部

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