過去3年の献金額は約2億円! 医師会ベッタリでカネを集める大臣2名の名前とは?

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「疑念を抱かせる人事」

 そして、もう一人。医師会お抱え議員として初入閣したのが武見敬三厚労相(71)である。

 父は日本医師会長や世界医師会長を歴任した故・武見太郎氏。1995年に日医連の推薦を受け参院議員に初当選し、現在5期目だ。自見氏同様、日医連から多額の献金を受け取っており、パーティー券購入代も合わせると、その総額は過去3年で約5600万円。つまり、医師会ベッタリ議員が厚労相を務めているわけだ。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏によれば、

「武見さんが厚労大臣になったことは疑念を抱かせる人事ですね。医師会は診療報酬を巡って厚労省に要望を出し、時には争うこともある。その大臣が医師会寄りでは要望を簡単にのんでしまう可能性があります。あまりに露骨すぎる人事ではないでしょうか」

 そうした批判の声を意識してか、大臣に就任して早々、武見氏は「私は医療関係団体の代弁者ではない」と、表明してみせた。

コロナ禍を逆手にとり…

 しかし、この武見氏にもカネの問題がついて回る。

「武見さんもしょっちゅう政治資金パーティーをやって多くのパー券を各医師連盟に買ってもらっていますからね」

 とは所属する麻生派の関係者。

 武見氏の資金管理団体である「敬人会」の政治資金収支報告書をひもとくと、コロナ禍前まで、おおむね年に4回ほどパーティーを開いていることが分かる。

 例えば、2018年には「敬人会 夕食勉強会」「武見セミナー」という政治資金パーティーを年4回開催し、約6500万円の収入を得ている。パー券の大口購入者となっているのは、日医連、東京都医師政治連盟などだ。

 ところが、コロナ禍だった21年の「敬人会」の報告書には「敬人会勉強会」「武見セミナー」などが“事業”として都内のホテルで開かれ、計約5740万円の収入が計上されているにもかかわらず、それが「政治資金パーティー」である旨が書かれていないのだ。

「当時、コロナ禍で政治資金パーティーが開けず、国会議員はみな困っていました。というのも、政治資金規正法上、オンラインではパーティーを開けないからです」(同)

 同法には、政治資金パーティーについて「対価を徴収して行われる“催物”」と定められている。

「催物とは人を集めて開催する会合等だと考えております」(総務省担当者)

 そこで、武見氏は一計を案じ、政治資金パーティーの代わりとして「動画配信事業」を行った。パーティーと同じ2万円の会費を取り、医療関係者との対談をオンラインで配信。それをDVDにして参加者に配るというものだった。例えば、21年3月に行われた勉強会では東京都医師会長である尾崎治夫氏と対談を行っている。この場合、収支については政治資金収支報告書に政治資金パーティーではなく、「その他の事業」として記載する。

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