日大アメフト部で2人目の逮捕者 今回も同じ「大麻」だったのに「匿名報道」から急に「実名報道」に変わったワケ

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 日本大学アメリカンフットボール部の寮から大麻などの薬物が見つかった事件で、警視庁は10月16日、新たに同部の4年生・矢部鑑羅容疑者(21)を麻薬特例法違反(大麻譲り受け)の疑いで逮捕した。この事件に注目している人の中には、今回の逮捕報道に違和感を覚えた人もいたはず。なぜなら前回は「実名・顔出し」報道だったのに、今回は「匿名報道」で始まったからだ。捜査と報道の間にあった「ウラ事情」をお伝えする。

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罪名が違ったのは「ブツの有無」

 1人目の逮捕者となった3年生の北畠成文被告(21)が逮捕されたのは、日大アメフト部に最初の家宅捜索が入った直後の8月5日だった。逮捕容疑は「覚醒剤取締法違反(所持)」と「大麻取締法違反(所持)」。東京地検は、8月28日に容疑を「麻薬取締法違反」(所持)に切り替え北畠被告を起訴した。そして10月16日、2人目となる矢部容疑者が逮捕された。容疑は麻薬特例法違反(大麻譲り受け)だった。

 2人ともやったことは同じで、違法薬物だと認識しながら大麻を売人から入手。寮の中で使用していた。適用される罪名が違った理由は、「ブツ」の有無だ。

 北畠被告の場合は、逮捕の半月ほど前、大学が寮を調査した際に押収した大麻片と覚醒剤入りの錠剤の破片が大学側から警察に届けられていた。矢部容疑者ら他の部員に対する捜査が始まったのは、その後のことだ。

「警察は8月にも2度目のガサ入れを行なったが、矢部容疑者の私物の中からブツは見つからなかった。ただ、北畠被告の供述やスマホに残っていた売人とのやり取りなどの証拠が残っていたため、所持ではなく譲り受けで逮捕することになった」(警視庁担当記者)

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