「末端の組員まで切り崩せ」 6代目山口組の最新通達は何を意味するのか?

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カタギになるメリット・デメリット

「現状について井上組長に勝算があるかと言うと、それはないと当人も感じていると思います。ならばカタギになるべきだという指摘もあるかと思いますが、井上組長はそう考えていないようです。引退と引き換えに、生命・財産の保証をする、傘下組織が解散したあとの受け皿を用意する、中田組長と係争中の裁判で和解する、といったことが条件として提示されると噂されてきましたが、井上組長にそれを受け入れるハラもないようです」(同)

 ないない尽くしではまとまるものもまとまらないようにみえるが……。

「絆會の織田絆誠代表を狙った後に逃走を続けているとされる菱川龍巳組員はじめ、組織のために生命を賭けた組員の存在を考えると、その責任を果たすためには現職に留まるべきだと考えているようです。一方で、仮にカタギになった場合、その肩書きの重みが取れることで、系列組員が犯した犯罪について“井上組長に指示された”と捜査当局に供述する可能性も否定できない。ヤクザという組織の性質上、そういった供述があるだけでも井上組長は訴追を免れないでしょう。つまり、メリット・デメリットで考えた時にカタギになるのはまるでメリットがないという判断を井上組長がしているように感じますね」(同)

 短期的に見れば、その判断は井上組長個人にとっては合理的なものなのかもしれない。しかし結果として抗争が長引くことは、社会全体の最適解とは言えないのではないだろうか。

デイリー新潮編集部

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