日本女子オープン 今では珍しい“高麗グリーン”を上手く攻略した原英莉花
2人の選手に共通しているグリップ
追いかけた菊地絵理香はまだベントグリーン用のパッティングでショートしていた。惜しいパットが何度もあった。カップの前で左右にブレるシーンが多かったが、あとひと転がりしていたら逆転している。もっともこの2人の選手に共通しているのはオーバーラッピングのグリップだったことだ。オーバーラッピングのグリップは左指が強くグリップ出来るので、パターフェースがブレない特長があり高麗グリーン向きであるのだ。パットの名人、故・杉原輝雄プロもグローブをつけたままオーバーラッピングのグリップで沈めていた。最近はこうしたオーバーラッピングのグリップを使う選手が少なくなったが、重いグリーンには強いのでお勧めする。
ついでに男子の東海クラシックに優勝した木下祐太(37)も、パターのグリップはオーバーラッピングだった。最終日はボギーなしの67でまわり、若い星野陸也、金谷拓実を抑え逆転優勝した。原も木下もイタリアのファッションメーカー「ミラ・ショーン」のマークをつけたキャップやシャツでプレーしていた。「ミラ・ショーン」は大当たりだ。何億円もの宣伝効果だったと想像する。
それにしても、日本女子オープンを中継したNHKのカメラワークはいかがなものか。パットラインを読むために膝を折っているとき、カメラが選手の目ではなく股間にレンズを向けるシーンが多かった。視聴者は股間ではなくパットのラインを知りたいのである。フェースをどこに合せているか、どういうグリップをしてパットをするかが知りたいのである。パットラインを読んでいる時は、どこにスパットを探しているのかを知りたい。NHKは女子プロの股間ばかり狙わず、ライン読みの際は全体像をクローズアップし、特に選手の目線に合せるべきである。アメリカの試合ではこうしたカメラワークは禁止されている。もっとも、日本でも女子プロ協会は「ティを挿す時は中腰になる」とか「パットのライン読みの時は股間を開かないこと」などと指導しているから、NHKが狙った“絵”は撮れなかったようだが。
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